清水大成(しみず・たいせい)が、3日目インの裏街道から出て怒濤の62。
終盤8番で、2メートルを残したのが唯一、ピンチらしいピンチといえる。
「それを入れられたのが嬉しかった」と、ボギーなしで回りきり、通算10アンダーまで伸ばしてV争いに入った。
今季平均303.34ヤードは、河本力(かわもと・りき)に次いで2位の飛ばし屋だが、5位タイからスタートした前日2日目は「林に行きまくった」と、「74」を叩いて41位Tに陥落。
「きょうは雨がかなり降りましたし強振しないように。できるだけコース内に」と反省を生かして丁寧にコース攻略してきた。
「昨日はショートばかりしたので、強めに打てるように」とパットの居残り練習の効果も出て「きょうはほぼチャンスを沈めることが出来ました」と、12番のチップインバーディを皮切りに、獲るわ獲るわの9バーディ。
「きょうスタート前に、軽く冗談、軽く本気で7アンダー行きたいと思ってました」と、思い描いた以上の成果を持って帰った。
昨年の本大会は、現地ウェイティングの1番で出場チャンスを待ったが、ついに降りてこなかった。
「小学生のときに一度観戦に来て、プロって本当に凄いなと感じた。憧れの場所」。
やっと果たした1年越しの初出場で、初優勝が狙える位置にいる。
高校はゴルフ部のない東福岡に進学したが、2年時の2015年「九州オープン」で、プロに混じって2位に。
実力が認められ、九州ジュニアの強化選手に入れてもらえた。
「そのとき合宿で回らせてもらったのがここフェニックスでした」と、大会は初出場でも難コースの知識は十分だ。
今季1勝を挙げ、先日の米二部ツアーで45位の優先順位を持ち帰った桂川有人(かつらがわ・ゆうと)は日大同期。
「僕も勝ちたいし、アメリカにも行きたいのでユウトは僕の先生。色々聞きたい」と今晩は、宮崎グルメを挟んで同期会を予定していたが、偶然にもこの日は桂川も「66」と伸ばして清水に次ぐ6位で、最終日の同組が決まった。
「ユウトには、いつも刺激を受けています」と今度は直接対決で、切磋琢磨しながら元チームメイトのキャリアにも一歩近づく。