出場最年少の細野勇策(20歳)より年齢は2つ上だが、プロのキャリアは、今年初出場の11人の中でもダントツのフレッシュさだ。
杉浦悠太(すぎうら・ゆうた)がシーズン最終戦で、デビューを果たしたのは開催前日のプロアマ戦。
プロの大事な仕事のひとつである。
一緒に回るゲスト3人はスポンサーの重鎮方ばかり。
「どんな感じか想像がつかない。凄い緊張しました」。
あとから思えば、先輩プロから講習を受けておけばよかったのにと後悔してもあとの祭りだ。
おそるおそる飛び込んだが、「良い方々ばかりで、最初から緊張がほぐれて、楽しく回らせていただきました」とおもてなしも無事、成功。
インターバルの昼食時では史上7人目のアマVを達成した2週前の「ダンロップフェニックス」の“武勇伝”も、惜しみもなく披露し、プレー後のお茶会ではすっかり和気藹々。
みごと、社交デビューを果たせた。
プロデビュー戦を果たした先週の「カシオワールドオープン」でも繰り返していた「僕は出られるだけでラッキーなので」と、今週も感謝の気持ちを忘れず、30人しか出られないシーズン最後の頂上戦に備えて「髪を切ってきました」と、身だしなみを整え、予選敗退した先週末は、土曜日に地元愛知の実家に帰って、すぐコーチのもとへ。
小学生から習う奥雅次氏と共に、週明けまで3日間、みっちりとスイングの基礎を見直し、「優勝したときから調子は変わらずいいですね」と、準備も万端。
グリーンが速く、傾斜がきつい東京よみうりは、ジュニア期も含めて、今までテレビで見るばかりで、これが初ラウンドである。
「やっぱり、グリーンの傾斜がすごいので、何も知らずにグリーンに乗せた時に、昨日とかはもう絶対寄らないようなところに行ってしまったりしていました。本当に考えることが多い」と、グルグルする。
テレビ観戦でも特に印象深かった最後、屈指の18番も、「実際に来たら、確かにそうなっちゃうな、というのが分かるというか。本当に難しいホール」。
実体験の恐怖は想像していた以上だが、攻略できた時の喜びも、おそらく思い描いていた以上。
「考えた通りにうまくいくと嬉しいので。好きですね」と、ワクワクする。
「この2試合、せっかく出られることになったので。特に最終戦はなかなか出られる試合ではないと思うので。出る以上は優勝目指して頑張ります」。
50回大会の「ダンロップフェニックス」で大会史上初のアマVを飾ってすぐその場で転向した22歳が、今度は60回目のシーズン最終戦で、またまたメモリアルなプロ初Vを狙う。