「今年イチのラッキーが来た」と、語るのは16番だ。
左バンカーから打った第3打は大ホームラン。ピンの向こうに飛んでいき、パーパットは15メートルほど。
大学先輩の同姓キャディ、吉田心さんも「終わった・・・」と終戦を覚悟した場面。
でも、吉田はこれを沈めて3差のまま堪えた。
さらに17番パー3では5Uで左5メートルのバーディチャンスを作った。
ティショットをこぼして、アプローチを寄せきれずにボギーを叩いた今平に、1差と迫って最終ホールに入った。
18番のティショットはラフに行き、2オンはできなかったが、左のバンカーまで運べた。
3打目は、今平のバーディパットよりは遠くはなったが、約6メートルのチャンス。
吉田は「スライス」と読み、吉田キャディは「フック」と読んだが、「ほぼ、ストレートでしたね」(吉田キャディ)。
もう一歩で歴代賞金王の背中に食いつけた。
「勝負に負けたことは悔しい」と歯がみはするが、シード1年目の今季は、これでトップ10が7回。
2位賞金2000万円を加えて賞金ランキングは13位に浮上し、シーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の出場資格はほぼ掴んだも絵同然。
「今年一番のベストフィニッシュ。自分の中では上出来かな」。
昨年、母校日大の地元静岡県三島での「日本プロ」での3位を更新する自己ベストに前を向く。
「またチャンスがあれば、次は周吾さんを倒して優勝したい」。
強敵なのは、2日連続の最終組で交えたこの土・日で嫌と言うほど知った。
うつむいている暇はない。