この日のピンは段の下の池のそばに立っていた。
「最後バーディ獲りたいな、とは思いましたけど、あのピン位置でイーグルが獲れるとは思わなかった。明日につながる」。
通算10アンダーにして、首位と3差に迫ると、右手のガッツポーズに自ずと力がこもった。
通算3アンダーの19位タイで決勝ラウンドに進出し、この日は5バーディの「65」で浮上してきた。
15番では、木の根っこから「完璧な」左打ちで脱出し、アプローチで残した4メートルもパーセーブ。
この日一番というピンチを回避し「ボギーがなかったのが良かった」と、なで下ろす。
昨年11月のダンロップフェニックスで、史上7人目(8例目)のアマ優勝を達成してすぐ翌週からプロになり、このオフは予選会を経てアジアンツアーにも挑戦。
初日に2位で飛び出した「マカオオープン」では3日目にペレイラや、オルティスらとラウンドする機会もあり「PGAツアーで優勝することが目標。すごくいい経験になりました」と場数を踏み、3月には日大を卒業。
社会人1年生の歩みを始めたばかりだ。
初出場の欧州共催は、「なかなか見ることのないような、端っこばかりのピン位置。難しいですが、うまくマネジメントできていると思います」と日々、成長中。
「試合に出ている以上、優勝を目指してやっています。レベルの高い試合では、攻めていくしか勝てないと思うので。明日も攻めて行きたいです」。
プロ初Vで、世界への扉を開く。