Tournament article
住建産業オープン広島 2002
「優勝したいと思います」
好スコアに反して、体調は、万全とはいえない。
今年のオフ、「ハードなトレーニングのやりすぎ」で、首の椎間板ヘルニアを患った。
すぐに治療に励んだが、開幕戦を迎えても、ろくに練習もできず、今もまだ、右親指に痺れが残る。
特に、衝撃の強いドライバーショットがつらく、「50球くらいの練習が限界」。長年の経験で、練習不足を補う毎日だ。
この日は、ケガにはあまり支障の出ないショートアイアンとパットが冴えた。
前半の5番は、チップイン。
9番では、ティショットを隣の10番ホールに打ち込んだが、残り140ヤードの第2打をパーセーブして波に乗った。
10番で、第2打を右40センチにつけのをきっかけに、5連続バーディだ。
2メートル以上のパットなら、まず、間違いなくクロスハンドで握る。2メートル以内なら、「アドレスで立ったとき、もっとも気持ち良い、と思えるやり方で」
瞬間、瞬間の感性を大切に、臨機応変に対処して、「上を意識しながらやろうと思ったとおりに、やれた。ノーボギーで回れたのなんて、久々だよ」。
65でまわって通算8アンダー。前日の46位から、一挙に5位タイまで浮上して、43歳の声も弾む。
「こうなったら、優勝したいと思います」
キッパリと、言い切った。