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住建産業オープン広島 2002

「1日1日、ベストを尽くせば結果は出るのだから」地元広島県出身の谷原秀人が、単独首位発進

 広島県、尾道の実家から車で1時間。
 “自宅通勤”の今週、地元での開催に応援団も多く、「頑張らないと、と思って」
 谷原が、期待に応えた。

 普段は、「バーディも多いかわりに、ポカもする。前に進めない激しいゴルフ。気持ちに、甘い部分が、あるんでしょうね」。
 この日初日も、2番、4、5番でバーディが先行したものの、「どうなのかな、また、いつものことなのかな」と半信半疑で、ホールを進んだ。

 ところが、バック9に入っても、ポカをするどころか「良いショット、良いパットが決まり、崩れるような気がしない」
 ピンチは、6番と最後の18番くらい。いずれも、2メートル弱のパーパットが残ったがしっかりセーブ。
 9バーディノーボギー、63のコースレコードタイスコアで、18ホールを回りきった。

 昨年のクォリファイグトーナメントは、8月のファーストステージから挑戦。参加者延べ2253人のうち、ただひとり、ファイナルQTまで勝ち上がってきたのが、この谷原だった。
 QT挑戦前には、米フロリダ州に渡って腕を磨き、そこで参戦したミニツアーでは、7戦5勝。超難関を突破して、QTランク47位につけ、初のツアー本格参戦をもぎ取ったのは、“本場”で、絶対的な自信を身に付けた成果でもあった。

 中国アマで、97年から3連覇を達成したアマチュア時代から比べると、「トレーニングの量、コースの攻め方、食事の取り方などが大きく変った。とにかくなんでも、一生懸命に取り組むようになりました」。
 また、オフには片山晋呉の合宿に参加させてもらったり、開幕前の米フロリダ合宿では、偶然、会った青木功に指導を受けるなど、外からの刺激も積極的に受ける。
 日に日に、成長のあとを残すツアー1年生。
 今週、昨年のチャレンジツアーランク上位とファイナルQTで決められていた“出場優先順位”の組み換えが行われ、谷原もその対象となるが、「そんなことは、意識していない。1日1日、ベストを尽くしていれば、結果は出るのだから」
 この日の大爆発には、デビュー8戦目にして、初優勝さえ、してしまいそうな勢いだ。

★ 谷原秀人プロフィール
 初めてクラブを握ったのは、12歳のとき。当初は、「友達と遊べなくてつまらなかった」というゴルフは、広島・瀬戸内高から仙台・東北福祉大へと進み、97年から中国アマで3連覇を果たすと、いつしか「俺には、これしかない」と考えるまでに。

 身長177センチ、体重77キロ。「小さいときから、体だけは丈夫でした」。恵まれた体躯から繰り出す豪快なスイングが、最大の武器。

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