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東建ホームメイトカップ 2004
ピンチをバーディで切り抜けてがぜん波に乗った、片山晋呉が3位タイ
ピンチをバーディで切り抜けてがぜん波に乗った、片山晋呉が3位タイ
出だしの1番、2番で連続ボギー。4番パー5では、「乗っても3パット、ここに入れた ら絶対にボギー」というバンカーに打ちこんだ。悪い流れを予感した。そのバンカー からのアプローチで、サンドウェッジ、ピッチングと持ち替えて、迷った末に、最後 に選んだのは9アイアン。
「昨日、コースで会った青木(功)さん。…青木さんならここで何を持つだろう、っ て考えた。青木さんなら絶対に、サンドは持たないと思ったんです」。究極の選択 は、大正解だった。残り40ヤードのアプローチを9番アイアンで1.5メートルにつけて バーディ。ボギーを覚悟したホールでのバーディに「今日は、これがすべて! ・・ ・6 のはずが4で、なんだかまるで、イーグルを取った気分になれたんです」と、ここか らがぜん波に乗った。
風の中のミスもアプローチでしのぐ。ピンチのパーパットは、必ず決める。10番ホー ルで、第2打をグリーン右に外した。「左のピン位置に対して、絶対に打っちゃいけ ない箇所」から、アプローチで2メートルにつけ、これを沈めてパーセーブ。「こう いうプレーが次につながっていく。セカンドのミスを忘れて次のホールに立てるよう になる」。迎えた終盤ホールでは、昨シーズンから約4ヶ月ぶりに興奮していた。 「足が地についてないドキドキ感。『ああ、また今年もこの場所に戻ってきたんだ な』って…。このドキドキ感を感じるために、一生懸命に練習してきたと思った」と いう。
今季から、クラブ契約が変わった。トレードマークのテンガロンハットの真中で光る のはナイキのマーク。移籍からの初競技にはおのずと、周囲の注目が集まってくる。 プレッシャーがのしかかる。「初日は全然、良いところがなくて予選落ちかと思ったぐらいだったけど、耐えてこ うして決勝ラウンドで優勝争いできる自分に、成長の跡を感じますよ」。
最終日、大相撲の春場所も千秋楽を迎える。前日26日までに、全勝している大関・千 代大海と は、一昨年前から親交がある。先月は、互いの健闘を誓いあったばかりだ。
「…彼とアベック優勝できたら、最高だよね」。青写真も出来上がっている。
初の賞金王に輝いた翌2001年、開幕戦の今大会で中嶋常幸を下して優勝した。そのと きの舞台も、ここ東建多度カントリークラブ・名古屋だった。
「このコースは、勝ってる人のほうが断然有利」。3年前の再現に、自信もみなぎっ ている。