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コカ・コーラ東海クラシック 2004

沖野克文 暫定2位「この大会で、すべてゼロにしたい」

マンデートーナメントから勝ち上がってきた選手が踏ん張っている。沖野克文、28歳。大会直前の4日(月)、本戦の出場権をかけた予選会で9アンダー63というみごとなスコアを記録してトップ通過を果たし、その勢いのままこの日2日目は、後半の4番ホールまで終了して、暫定2位に立っている。

「マンデーのときから、パットがうそみたいに入るんですよ」と、声が上ずる。それも、特にパーパットだ。ショットがあまりよくないかわりにグリーン上が冴え渡っている。
「ボギーを打ちそうなホールでも、ことごとく入った」。初日からの31ホールで、たたいたボギーはたったひとつだ。

99年のデビューから、ようやくこれがツアー参戦5試合目。思うような活躍ができず、昨年、所属コースも解雇された。
生活に困り、「もう、やめちゃおうかな・・・」本気でプロの道を諦める覚悟をした時期もあったが、今年からキャデイ教育の派遣会社でバイトが見つかり、月15万円の給料とレッスン業で、どうにか食いつないでいる。

家族は妻・未央さんと、1歳になる長女・莉央ちゃん。
マンデートーナメント通過を果たした夜、未央さんには「できるだけ多く稼いで、生活を楽にしてね」と、言われている。
翌9日(土)に再開される残り5ホールが、無事終われば自身初の予選突破。初賞金で「とりあえず、借金を全部、返してすべてゼロにしたいと思ってます」。まさに願いは、切実だ。


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