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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2004

丸山茂樹2オーバー72位タイに「これは本当の僕じゃない」

昨晩も、3時間しか寝ていない。しかも、夜中にふいにやってきた腹痛。「なんでいまごろ…」指折り時間を逆算してみたら、向こうではちょうど朝を迎えるころ。苦笑いで、ひとり納得していた。「時差ぼけって、ほんと、すごい」。
19日の明朝に帰国した丸山の体内では、生活リズムまでもが、いまだに米国時間なのだ。

そんな体調で、万全のプレーができるはずもなかった。
「まるで、5キロくらいダッシュしてすぐに球を打ってるみたいな感じ」。
案の定、出だしの10番(418ヤード)で左にミス。飛距離も出ず、第2打は180ヤードも距離が残ってしまった。ボギー発進…。
「アドレスの方向が定まらない。スイングの体感のバランスも、ほとんど感じられない。今日は1日つらかった。途中から、なんか悲しくなってきて、笑えなくなった」。
スタートの出遅れも、最後まで取り返せず、2オーバー72位タイ。

大きく出遅れてしまったが、それでも、丸山が周囲に与える影響力は絶大だった。

同じ組でまわった近藤は、首位タイ発進。
4アンダー8位タイにつけた深堀圭一郎は帰国後、毎晩、丸山と食事を共にして「刺激を受けている」という。
「みんな、彼の前ではいい加減なプレーはできない、という気にさせられるんです」。

首位タイの谷口徹は「最終日、マルと同じ組で最終組を回りたい」と一心で、頑張ったという。
そんな谷口に、丸山が言った。
「今回はちょっと無理そうだからさ。もっと日本でいっぱい勝って、世界ランキングをあげて、アメリカに来てよ。そこで、一緒に回ろう!」。
普段、どちらかというと“きかん坊”な谷口が、年下の丸山の言葉に「…はい」と、しおらしくうなづいた。
丸山ひとり、加わるだけで場がいっそう華やいでいく。活気があふれ出す。

ハードスケジュールを押して、凱旋出場を果たしたのだ。本人も、このままでは終われない。
「そんなに成長した、とは思わないけど、それでもここまで下手じゃない。これは本当の僕じゃない。
明日は、巻き返しますよ」。
この日より体調が回復するであろう翌2日目こそ、本領発揮。今度はスコアで、ホスト試合を盛り上げる。



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