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日本オープンゴルフ選手権競技 2006
1927年の第1回大会(赤星六郎)以来史上2度目のアマ優勝?!
どうにか、続く3位につけたのが、日本でも活躍しているS・K・ホだった。
アマチュアは、たとえプロの試合で勝っても賞金はもらえない。
おかげで、優勝賞金1億2000万ウォンをそっくりそのまま受け取ったSKは、振り返る。
「そりゃあね、勝てなかったのは悔しかったけど。もらえたのはラッキー! 2人のおかげで、得させてもらいましたよ」。
今週、これと同じ状況が起きてしまいそうな勢いだ。
韓国のトップアマ、キム・キョンテーと韓国系豪州人のウォン・ジョン・リーが首位と1打差。
この2人こそ前述の韓国ツアーで1位と2位を独占したアマチュアだった。
昨年の廣野のローアマチュアでもあるウォンは身長190センチ。体重93キロの体格を生かした、豪打が武器だ。
平均飛距離は350ヤード。しかし、それでもコントロールを重視するようになってからは以前より飛ばなくなったほうだといい、今では安定性も加わって怖いものなしだ。
母国・延世大2年のキムは今年の日本アマ連覇のほかに、5月の韓国ツアー『ポカリスエットオープン』でも並み居るプロを押しのけて今季2勝をあげている逸材だ。
この日ホールアウト後の2人のインタビューは母国語しか話せないキムのために、英語が堪能なウォンと一緒に出席して、キムへの質問はまずウォンが英語で聞いて、それを韓国語に訳すという異例の形で行われた。
温和で礼儀正しい性格と、関係者にも評判の2人。
お互いナショナルチームメンバーとして凌ぎを削りながらもそこは同郷のよしみ。
海を隔てても、互いに「兄弟」のような付き合いは続いている。
終始和やかに行われた会見では明言を避けたが、一歩インタビュールームを出るなりつい本音がこぼれ出た。
「・・・今後のキャリアのためにも今週、ぜひ勝ちたい」と、声を揃えた。
今年10月に南アフリカで行われる世界アマを最後に、キムは母国で、ウォンはアジアンツアーでそれぞれプロ転向する予定もあるだけに、アマとしては最後となるこの日本一のタイトルには並々ならぬ思いがある。
先輩SKは「その可能性は十分ある」と、太鼓判を押した。
「韓国ツアーの上位30人のレベルは日本ツアーにもヒケを取らないと思う。その中で勝つ、というのは相当の実力がある証拠だし、まだアマチュアの彼らには余計なプレッシャーがない分、かなり有利となるでしょう」(SK)。
片山の連覇を阻むのは、ひょっとして・・・。
ウォン・ジョン・リー
1985年10月23日生まれ
1984年に両親が移住した韓国系オーストラリア人。
祖父の影響で、本格的にゴルフを始めたのは2000年から。わずか5年あまりで頭角を現した。
身長190センチ、体重93キロの巨漢から繰り出す飛距離は驚異的。
かつては、プライベートなラウンドで490ヤードを記録したこともあるというが、今週はショートゲームにも随所に光るものをうかがわせる。
<主な戦歴>
2005年日本オープン11位タイ(ローアマ)、2006年ノムラカップ アジア太平洋アマチュアチーム戦個人・団体優勝、2005年4カ国チーム選手権優勝
キム・キョンテー
1986年9月2日生まれ、韓国出身
身長:175センチ 体重:70キロ
ゴルフ歴:10歳から
得意クラブ:アイアン
ドライバー飛距離:270ヤード
目標とする人:アーニー・エルス
<主な戦歴>
2006年日本アマチュア選手権優勝、2005年日本オープン22位タイ、2005年日本アマチュア選手権優勝、2005年ホシン カップ アマチュア選手権優勝