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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2006
井戸木鴻樹「欲かいても、恥をかいても・・・」
ショット時はトップとインパクト。手の平に力が入るときがピークだ。
その痛みは「ひょっとして、このまま中の腱が切れてしまうんとちがうやろか、と思うほど」。
毎日、アイシング、ストレッチ、「夜の置き針」など治療は続けているが、完治はないそうだ。
「医者には、友達みたいに上手いことつきおうて行かないとしょうがないね、と言われている」。
余計な力が要るラフからのショットは要注意。
「飛ばそう、と力むのもいけないから、飛ばへんのが余計に飛ばへん(苦笑)」。
時には、飛ばし屋の若手に100ヤード近くも置いていかれることもある。
「恥ずかしいけれど、だからときどき、思い切り振りたくなることもあるけれど・・・」。
上がってなんぼ、と言い聞かせてじっと我慢するしかない。
その分、道具でカバーする。
7番、9番、11番ウッドを駆使して「安全第一」。
無理すれば、パー5も届かないことはない。
「でも、それでバンカーとかになるよりも、フェアウェーからのほうが安心して打てるからね」。
とにかく、良いライを選んで歩く。
徹底した安全策と、昇り調子のパッティングで、通算11アンダー2位タイにつけた。
賞金ランク70位までに与えられる来季ツアーのシード権は井戸木にとって、「プロとしてのプライド」。
現在、賞金ランク81位はその確保にはまだほど遠いが、「あと、5年。50歳まではなんとかツアーで生き残りたいから。欲かいて、恥かいてもガツガツと行きますよ」。
人の良い笑顔とは裏腹に、内心は鬼気迫るものがある。