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フジサンケイクラシック 2006

片山晋呉が史上4番目の若さでツアー通算20勝目に到達

いまから16年前のことだ。17歳。水城高校2年のとき、ジャンボ尾崎杯フジサンケイジュニア選手権で優勝。その資格で初めてツアーに挑戦したのが、90年のフジサンケイクラシックだった。

「あのときはまさか自分が、いつか優勝杯がもらえるなんて想像もつかなかった」。
初日79、2日目78。トータル157ストロークで予選落ち。
手も足も出ず「プロの試合ってこんなに厳しいのか」と、思い知らされた。
あのとき、悔し涙をのんだ少年が、いまひとつの金字塔を打ち立てて堂々と頂点に立った。

33歳7ヶ月と4日でのツアー通算20勝目は、中嶋常幸(30歳8ヶ月18日)、尾崎将司(31歳3ヶ月28日)、倉本昌弘(32歳9ヶ月25日)に次ぐ、史上4番目の若さ。
また、1990年に当時46歳のグラハム・マーシュが達成してから16年ぶり、史上9人目の快挙達成だ。

「自分で客観的に見ても、レベルの高い今のツアーで“20”というのはすごい数字。思い出の大会で、良い区切りになりました」。
しみじみと、その喜びを噛み締めた。

最終日は5打差つけてのスタート。
大量リードゆえのプレッシャーは、スタート直後に吹き飛んだ。

1番で、深いラフからのアプローチを1メートルに寄せてピンチをしのいだ。「ボギーにしていたら、嫌な1日になっていた。このパーで落ち着いた」と、続く2番では8メートルのバーディパットをねじ込んだ。

そして3番。570ヤードのパー5で、片山はしばし逡巡する。
ピンまで残り280ヤードの第2打は、左前方に木。ライは前足上がり。

同じ組の藤田とシンが、先に揃って花道に刻んだ。
大差をつける片山こそ、ここで危険を冒してまで攻める必要はない。
「・・・でもきっと、ミケ(ミケルソン)とタイガーなら行くだろう」。
そう心によぎった瞬間、迷わずスプーンを握っていた。
2オン狙いのショットは木の枝をかすめ、フォロー風に乗って、みごとにグリーンを捉えて通算10アンダー。
快勝を決定づけた。

ショットの不調は、「いま、自分にコントロールできること」でカバーした。
7月の全英オープン。「サンドウェッジの使い方なら、タイガーよりも僕のほうが上手い」。リンクスから持ち帰った「過剰なくらい」(片山)の自信がこの日のプレーを支えた。

5年ぶりに持ち出したエースパター。初の賞金王に輝いた2000年に使っていたもの。
当時のフィーリングを取り戻し、好調のパッティングで、この4日間で叩いたボギーはわずかに4つ。

3打差で逃げ切って、迎えた最終18番。
笑顔で見上げた日本一の山。
「…あの富士山のように。今日はでっかいゴルフができたと思う」と、その頂上を指差した。

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