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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2007

近藤智弘が単独首位

石川くんと同じ組で予選ラウンドを回ることが決まったときは正直、「何もこんなときに」との思いがよぎった。

3週前に、左肩を痛めて絶不調。
今も、痛み止めは欠かせない。
気持ちも塞ぎがちで、16歳との初ラウンドをこんな状態で迎えるのに躊躇があった。
しかもギャラリーは初日から、最終日最終組並みの数になるだろう。
「イヤだなあ・・・」と洩らしていたものだが、いざフタをあけてみればゴルフは絶好調。

インスタートの10番でバーディを奪い、「とにかくこのまま、チャンスの16番まで耐えよう」と決め、作戦どおりの3連続バーディで折り返すと、8バーディ(1ボギー)は単独首位スタートだ。

契約先のブリヂストンに自らデザインを持ち込んで、オリジナルのウェアを作ってもらうほどのこだわり派。
かねてから石川くんのウェアにも興味があったようで、この日はウェア談義で盛り上がるなど、いつもハキハキ明るい16歳に「元気をもらった」と振り返る。

史上最年少優勝をあげたマンシングウェアオープンKSBカップの練習日に近藤に間違われた石川くんは、「サインをください」とギャラリーにねだられたそうだが、いまや日本一有名な高校生に「僕のほうが間違われないか・・・」。

そんな懸念をもらしたこともあったが、この日の近藤はしっかりと、スコアで存在感を示すことができた。

先週の日本オープンで、選手たちの様子を見に来てくださった日本ゴルフツアー機構(JGTO)の指定医師で、主治医の布袋屋浩(ほてやこう)先生に左肩の症状を診てもらったところ「2ヶ月は、すっきりしないと思う」と診断された。

「それじゃあ、シーズンが終わっちゃう」と落胆したものの、そうと分かれば「もう諦めて、開き直るしかない」。せめて、ストレスをためないように気楽にやろう、という気持ちになれた。
また、布袋屋先生がその場で打ってくださった痛み止めの注射が効いて、当初よりは症状が緩和されたことも、良かった。
患部に負担をかけないように、と今週からカーボンに変えたシャフトもマッチして、前日までのしかめっ面が一転、笑顔になった。

スポンサー競技の今大会は専修大2年の96年、初めてプロの試合に挑戦した思い出のトーナメントでもある。ホストプレーヤーとして思い入れも強く「勝ちたい。というか、まず頑張りたい」と、意気込みを話した。

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