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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2007
賞金レースはいよいよクライマックスへ
「今週、単独2位以上じゃないと上田選手を抜けないんですよ」。
「何っ?! それホントなの?!」。
今年、賞金女王に輝いた上田桃子選手の獲得賞金は1億6611万2232円。
先週までの谷口の賞金額は1億5894万4498円。
その差額は806万7734円。
今大会の2位賞金は1390万円。
しかし、3位は一気に下がって750万円・・・。
「3位でも足りないじゃない?! そうなったら、ポケットマネーを出さないとだめじゃない」と軽口を叩きつつ、目は正直につり上がった。
専属キャディの清水重憲さんが、男子ツアーのない週にそのバッグを担ぎ、女王獲りに貢献した経緯もあり、肝心のライバルもそっちのけで「桃子には負けたくない」と、かねてから公言しているだけに、新たな事実発覚に心穏やかではない。
本筋の賞金争いはといえば、現在賞金ランク2位の片山晋呉との差は1869万564円。
やはり単独2位以上なら、同時に賞金王も確定するが、こうなったら目標はひとつしかない。
「いつも試合にはそう思って来ているけれど、今週も優勝を狙う」。
もちろん、勝てば文句なしの結末だ。
そして、片山もまたしかり。谷口を抜いて4年連続5度目の王座につくには今週、勝つしか道はない。しかし、たとえ優勝しても、谷口が単独2位なら逆転できない。
非常に厳しい状況にも、片山はどこか嬉しそうだった。
「今年は違うパターンの1週間だが、毎年こうしてチャレンジできるのは幸せなこと。今年もまた、自分がこういう場でプレーできることに感謝したい」としみじみと言う。
しかも2度の優勝経験がある今大会は、幸い今年もまた絶好調のまま迎えた。
「10月くらいからずっといいので、やってても楽しい」と片山はいう。
しかもちょっぴり嬉しいデータも・・・。
大会初日は、“主役”の2人が同組対決。
今季、谷口と何度か同じ組でプレーしているが、「僕と一緒のときは谷口さん、なぜか悪いんですよねえ・・・」とニヤリ。
そして、現状を野球にたとえ「9回裏2アウトでランナーなし。しかも、僕が1点負けてるわけです。最後は押し出しでもデッドボールでもいい。とにかく、明日はランナーを出す」と、力をこめた。
“逆転サヨナラ”の栄冠へ・・・。片山が最後の力を振り絞る。