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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2007

賞金レースはいよいよクライマックスへ

10月、日本オープンで自身2度目のタイトル、谷口
5年ぶり2度目の賞金王にむけて、「まあ、毎ホール気を抜かずにやるだけですね」とクールに話していた谷口が、にわかに色気ばんだのは大会前日の水曜日に向けられた報道陣のこの言葉。

「今週、単独2位以上じゃないと上田選手を抜けないんですよ」。
「何っ?! それホントなの?!」。

今年、賞金女王に輝いた上田桃子選手の獲得賞金は1億6611万2232円。
先週までの谷口の賞金額は1億5894万4498円。
その差額は806万7734円。
今大会の2位賞金は1390万円。
しかし、3位は一気に下がって750万円・・・。

「3位でも足りないじゃない?! そうなったら、ポケットマネーを出さないとだめじゃない」と軽口を叩きつつ、目は正直につり上がった。

専属キャディの清水重憲さんが、男子ツアーのない週にそのバッグを担ぎ、女王獲りに貢献した経緯もあり、肝心のライバルもそっちのけで「桃子には負けたくない」と、かねてから公言しているだけに、新たな事実発覚に心穏やかではない。

本筋の賞金争いはといえば、現在賞金ランク2位の片山晋呉との差は1869万564円。
やはり単独2位以上なら、同時に賞金王も確定するが、こうなったら目標はひとつしかない。

「いつも試合にはそう思って来ているけれど、今週も優勝を狙う」。
もちろん、勝てば文句なしの結末だ。

そして、片山もまたしかり。谷口を抜いて4年連続5度目の王座につくには今週、勝つしか道はない。しかし、たとえ優勝しても、谷口が単独2位なら逆転できない。
非常に厳しい状況にも、片山はどこか嬉しそうだった。

「今年は違うパターンの1週間だが、毎年こうしてチャレンジできるのは幸せなこと。今年もまた、自分がこういう場でプレーできることに感謝したい」としみじみと言う。

しかも2度の優勝経験がある今大会は、幸い今年もまた絶好調のまま迎えた。
「10月くらいからずっといいので、やってても楽しい」と片山はいう。

しかもちょっぴり嬉しいデータも・・・。
大会初日は、“主役”の2人が同組対決。
今季、谷口と何度か同じ組でプレーしているが、「僕と一緒のときは谷口さん、なぜか悪いんですよねえ・・・」とニヤリ。

そして、現状を野球にたとえ「9回裏2アウトでランナーなし。しかも、僕が1点負けてるわけです。最後は押し出しでもデッドボールでもいい。とにかく、明日はランナーを出す」と、力をこめた。

“逆転サヨナラ”の栄冠へ・・・。片山が最後の力を振り絞る。

  • 10月、ブリヂストンオープンで勝利の雄たけび、片山

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