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サン・クロレラ クラシック 2007
鈴木亨が首位を死守
北海道特有の粘りつく洋芝は、水分をたっぷり含んで飛距離が稼げない。
「風ならなんとかなるけど、ここは雨が降るととことん飛ばなくなるから」。
そんな苦しい状況も、執念で乗り切った。
「ここで勝ちたい」。その気持ちをぶつけた渾身の1打は、504ヤードと距離が長い池がらみの16番。
難易度1位のこのパー4で、第2打を池に入れたが打ち直しの4打目は、残り210ヤードを4番アイアンでピタリとつけた。
ボギーにとどめ、ケガを最小限でおさめてみせたのだ。
ツアー通算8勝目は、ここ小樽であげることにこそ意味がある。
「ごかましがきかない。真っ向からぶつかるしかない」この屈指の難コースでもし勝てたら・・・。
「生涯、自慢できるから」。
恩人のためでもある。
開幕前日の水曜日、プロアマ戦で回った小樽カントリー倶楽部の菅原春雄・理事長に言われた。「ぜひここで優勝を」。
「・・・あの人の喜ぶ顔が見たい、その一心で戦っている」と、てらいもなく打ち明ける。
さらに、もう1人はデビュー当時から兄貴分として慕っている中嶋常幸だ。
首位に立った前日3日目の夜も電話をくれて、「気張ってやれ」と励まされた。
「これまでにもいっぱい心配かけて、いっぱい迷惑もかけてきたから」。
最終日の5日(日)の夜に、その中嶋が地元・札幌市内でトーク&ディナーショーを開く。
鈴木はそのスペシャルゲストに招かれて、試合が終わり次第、駆けつける段取りだ。
先週のチャレンジトーナメント「カニトップ杯チャレンジ」では、中嶋の長男・雅生が初優勝をあげたばかり。
ぜひ、自分も後に続きたい。
「ディナーショーで、花を添えたい。最終日は、そんな気持ちに正直にプレーしてみたいと思う」と決意を語った。