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日本オープンゴルフ選手権 2008
片山晋呉が首位キープ
2週ぶりに再び極太グリップを投入したパッティングがここにきて好調で、ピンチをことごとく決めた。特に終盤に難ホールが続くインコース。
15番で2メートルをしのぎ、17番でバンカーから4メートルのパーパット。
これをねじ込みガッツポーズだ。
最終18番は、深いラフからの第2打で7番アイアンを握った。高い弾道で、うねる高速グリーンにみごとに球を止めてみせ、「もういっぺんやってと言われても出来ない。会心のショット。よくやった。よく打った」と、またもや自画自賛だ。
初日から、積極的に自分を褒めまくっているのにはワケがある。
「週に2冊は本を読む」という本好きの片山が今週の愛読書に選んだのは、知人の住職から贈られた自己啓発本。
そこに目を引く文章があった。
「自分を褒めながらやりなさい」。
その言葉に思い当たった。
5月の日本プロでツアー24勝目をあげて、永久シードまであと1勝と迫った。
しかしそのあと11戦で足踏みが続き、周囲の期待も含めて次第に自分で自分を追い込んでしまったこの5ヶ月間。
「そうだ、25勝目のことよりも、これまで24勝している自分を褒めよう」。
さっそく今週のコースメモにいただいた本の一文を書き込んで、毎ホールごとにそれをそらんじているという。
そしてそれは、この日本一決定戦でも「ぴったりと当てはまる」。
予選通過ラインは通算13オーバー。
2日目を終えて、アンダーパーはわずかに2人。
平均スコアは2日トータルで77.451ストローク。
これほどに難しいコンディションには「パーはバーディだと。いいパットが入ったら、思いっきり自分を褒めよう。喜ぼう」と、決めている。
「今の気持ちとパットがあれば、張り詰めた展開で最後までいけるはず」との手応えもある。
2004年に7位につけて、2005年の廣野で悲願の大会初制覇。
2006年に5位タイ。
そして昨年は単独2位。
この大舞台で4年連続トップ10入りを果たし、迎えた今年は大きな使命も抱えるが、2度目の日本一でそれを成し遂げればこれほど絵になることはない。