Tournament article

日本オープンゴルフ選手権 2008

片山晋呉「貯金をしても、ここでは金融破綻する可能性がある」

インスタートの10番、11番の連続ボギー発進も、「日本オープンはこんなもの。難しいことは分っているから。自分は上手いんだと、必死で自分をおだてながらやっていた」という。

実際に、そのあと素晴らしいプレーを見せた。
12番で2メートル。13番で8メートルのバーディパットを決めて、たちまち息を吹き返した。
16番で2メートルのチャンスにつけて、2番はなんと10メートルをねじ込んだ。
6番パー3は、8番アイアンでベタピンの50センチだ。

練習日の段階で、「優勝スコアはオーバーパー」と断言していた。
「というか、ひょっとしたら9オーバーくらいまで行っちゃうかも」。
警戒してとうとうバッグからドライバーを抜いた。

かわりに、ユーティリティの4番を駆使してこのスコア。
「今でもこのコースでアンダーパーは出ないと思っているけれど・・・。今日は、それを上回りましたね」と、本人の予想すら大きく上回る3アンダー。

スタートの躓きにも「めげないで、行ったのが良かった」と喜びながら、油断はしない。
「ここでは、どんなに“貯金”をしても、“金融破綻”する可能性があるから」。
昨今の世界の経済状態をなぞらえて、2日目以降の心構えを表現した。

先週のキヤノンオープンで、夏以来という谷将貴コーチの集中特訓。
今週の練習日も修正に次ぐ修正で、「毎日ヘトヘトで夜9時には寝ている」と笑う。
しかしおかげで2度目の日本一にピタリと照準を合わせて来られた。

5月の日本プロから幾度も迎えては、逃し続けてきたツアー通算25勝目のチャンス。
永久シードが与えられる大きな1勝も、この舞台ならこれほど絵になることはない。

狙って勝った2005年の廣野は開催の1ヶ月前からコースのオリジナルマーカーを愛用した。
今回も、何らかのゲン担ぎをしているそうだが「それはまた勝ってから。最終日に長いインタビューをするよ」と、ニヤリと笑った。



関連記事