Tournament article
コカ・コーラ東海クラシック 2008
近藤智弘「明日も根性です」
「ベストもベストも・・・三好で60台なんて、これまで記憶にないくらい!」。
やはり地元の中日クラウンズで今季1勝をあげたが、会場の和合は難コースでも「なんとなくイメージが沸くんです」。
しかし、ここ三好は「難しさしかない」という。
その上、昨年夏に発症した原因不明の両足のかかと痛が再発して「練習不足」と来ている。
「電気をかけても、テーピングをしても、靴を変えても、薬を飲んでも、どんな治療をしてもダメ」。
深刻なケガを抱えた上に「苦手なコースで気分だけでも変えよう」と、今週タッグを組んだのは元・名古屋グランパスエイトのJリーガーで、スポーツジャーナリストの中西哲生さんだ。
2人とも地元出身。いまは都内に構える住まいも近く、普段から食事やゴルフをしたり、気のあう親友は初のキャディ業に、バンカーならしや、グリーン上の立ち位置など「僕がラウンド中に仕込んでます」。
不慣れなのは仕方ないとしても、中西さんの「体育会系のテンションの高さ」は今の近藤には大きな支えだ。
加えて、前日2日目のスタート直前に思い切って持ち替えたピン型のパターが奏功した。
また「右足のケリが強すぎて、クラブが開いてプッシュアウト気味になっていた」というスイングを「インパクトでベタ足にして、クラブが寝ないように心がけた」ことで、方向性も良くなった。
初日は通算4オーバーの76位と大きく出遅れ、決勝進出も危ぶまれた近藤が一気に優勝も狙える位置に。
この日3日目はインコースのいわゆる“裏街道”からスタートして人影まばらな9番でホールアウト。
しかし、首位と4打差で迎える最終日は、1番からティオフして「お客さんの多い18番に帰ってこられる」と喜んだ。
「中西さんにもせっかく担いでもらって、寂しくホールアウトするのは申し訳ないから」。
気合いに反して、足の痛みは「立っているだけでもつらい」と増すばかりだが、「明日も気合いしかない。根性ですよ」。
気の合う相棒と、地元ファンの前で渾身のプレーを誓った。