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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2008
片山晋呉が3打差の7位タイ
この日同組で回った石川遼のことも、「人のことを見ていられる余裕なんてないですもん」とこの日
の風の強さを強調したが、それでも賞金王のゴルフをしっかりと17歳の心に残した。
石川が特に感嘆したのは14番のプレーだ。
大きくグリーンをショートして、バンカーに入れた第2打が上空に垂れ下がる電線に当たったのではないか、との指摘があった。競技委員の立ち会いののもとボールを拾い上げ、当たった後がないか確認したが、確証が取れなかった。
もし当たっていたら無罰で打ち直さなければならないが、けっきょく救済を受けることが出来ず、そのままプレーすることになった。
しかし、片山は2打目を打つ直前までずっとその話題を続けていたのだ。
石川が振り返る。
「そのあとのショットは、僕なら多少リズムが変わってしまうと思うが片山さんは、50ヤードのバンカーから距離感を合わせて4メートルにつけて、パーパットを入れた。それまでのことは一瞬で忘れて集中している。そういうオーラが出ていた。集中力のレベルが違うと思った。あのプレー、僕は一生忘れないです」。
百戦錬磨の片山でさえ、ほとんど経験したこともないような強風下でのイーブンパーに「オーバーパーでなかっただけで最高でしょう。これ以上はない。これ以上は出ない」と片山。
やはり記念の45回大会を狙って取ったのは2004年の中日クラウンズ。
今週も、シンゴの読みを文字って「今年は僕の大会」と言ってはばからない。
勝てば、ジャンボ尾崎と伊澤利光につぐ史上3人目の獲得賞金2億円突破。
また、今年の日本プロ、日本オープンに続く同一年の日本タイトル3勝はジャンボと村上隆、丸山茂樹に続く史上4人目の快挙だ。
「今欲しいものはと聞かれたら、このタイトルしかない。そのために99%の準備をしてきた」と、本人も言ってはばからない。
その言葉を裏付けるように、通算3アンダーは首位と3打差。
史上7人目の永久シードと賞金王の奪還と…。
記録ずくめの1年を、さらなる大記録で埋め尽くす。