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〜全英への道〜 ミズノオープンよみうりクラシック 2009
小田孔明「明日は60台を出してイギリスに行きます」
しかし、怖がっていても仕方ない。「どっちでもいったれ〜!!」と、開き直って打った第2打はわずかにカラーにこぼれたが、それでも6メートルのイーグルチャンス。
ほっと胸をなで下ろしたのもつかの間だった。
グリーン横のスコアボードを確認して目を剥いた。
豪州のブレンダン・ジョーンズが、自分と同スコアの5アンダーで並んでいた。
たちまちがっくり来た。
「も〜う、頑張らなくてもいいのに…」と思わずぼやいたのも無理はない。
現在、全英オープン日本予選ランクで2位につける小田は、上位2人の枠をかけてまさに正念場だ。
同3位の五十嵐雄二と4位の兼本貴司は予選でコースを去ったが、けっして侮ることが出来ない敵が残った。
それが、日本予選ランク5位につけるジョーンズだ。
何しろ「スーパー爆発力がある選手」だ。
最終日にジョーンズがさらにスコアを伸ばし、単独5位につけれれば、小田の順位次第では権利を譲ることになる。
なんとしても、初のメジャー切符を手に入れたい小田には、「ほんとうに嫌な相手」だ。
「いっそ、上位4人に入ってくれたらいいのに」とさえ思う。
全英オープンの出場権は、今大会の上位4人にも与えられ、もしそうなれば日本予選ランキングからは省かれる。
「中途半端に5位になられたりしたら、ほんとにもう怒るから!」。
クラブハウスでそうしきりに牽制してみても、どうにもならないことは小田本人が一番よく分かっている。
相手はどうあれ、自分が結果を出せばすべてが解決する。
それにイーグルチャンスこそ逃したが、楽々のバーディフィニッシュは、ジョーンズを1打上回る通算6アンダー。
しかも、もともと日本予選ランキングで上位にいるのだから、無用に怖がることはない。
「明日は、60台を出してイギリスに行きます」。
そして、まだ押さえかねている飛行機のチケットを予約するつもりだ。
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