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東建ホームメイトカップ 2010
連覇をねらう、小田孔明
注目は、なんといっても18歳の賞金王。石川遼の活躍に、今年も熱い視線が集まりそうだがその中で、“ヒール役”もすすんでかって出そうなのが、ディフェンディングチャンピオンだ。
昨年の同大会で、ツアー通算2勝目をあげた小田孔明が、早くも気炎を上げている。挑戦状を叩きつけた。
「遼くんには絶対に負けない!」。
自身初の賞金王獲りは、昨年から掲げていた公約だった。
東建ホームメイトカップでの開幕ダッシュは、そのための布石でもあった。
しかし、怖れを知らない18歳の勢いの前に倒れた。
特に終盤は、息切れした。
「疲れは一番足に来た」。
秋以降は寒さも相まって、ショットのキレは影を潜め、自慢の飛距離も若干、落ちた。
打倒・遼を掲げる小田にとってはなおさら痛い。
11月のカシオワールドオープンで、石川とのV争いを制して連覇を達成したものの、賞金ランクは2位の池田勇太を挟んで、結局同3位に食い込むのが精一杯。
「遼くんは、とにかく異次元に飛ばすから」。
張り合おうとするならば、まずはその溝を埋めねばならないと痛感させられた。
反省から昨年はシーズンが終わるなり、「平均2ヤードアップ」を目標に、トレーニングに着手。
おかげで、今年は2月も半ばを迎えるころにはもともと厚かった胸板が、ますます筋肉隆々に。どこへ行っても「格闘家の方ですか」と、聞かれるまでに生まれ変わった。
開幕まであと数週間。現在は地元・福岡で、伊澤利光らとラウンド中心の合宿を重ねるなど、調整は順調に進んでいる。
今年こそ、念願のキングの座を掴むため。
「今年はメジャーを含む年間3勝以上を目指します」。
そのために、開幕連覇は必須条件。
「今年も最初から飛ばしていきます」と“天下取り”をにらむ小田が鼻息荒い。