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ダンロップフェニックストーナメント 2009
山下和宏「ここで勝てたら鼻が高い」
「実は日本オープンよりも、出るのが難しい」。
それが、このダンロップフェニックスだ。
「ずっと憧れていた。プロになったからには、一度は出てみたいと思っていた大会だった」。
そう話す山下が、初出場を果たしたのが初シード入りを果たした昨年だった。
しかし、いざ憧れの舞台に立った途端に、のみ込まれた。
「緊張して、回りが見えなくなっていた」という。
コース近隣のホテルで海外の有名選手に、生まれたばかりの長男をあやされてもどこか夢見心地だった。
当時はホストプロとして、主催者推薦を受けての出場だったこともあり、「本当に僕がここにいてもいいのか」。
居心地の悪さは本戦前から日に日に増した。
そんなふわふわした気持ちのまま難コースにぶつかっても、良い結果が残せるはずもなく「打ちのめされた」。
あえなく予選落ちをして、スゴスゴと退散した。
だが今年は違う。
まだ優勝こそないが、幾度も優勝争いを繰り広げ、トップ10入りは8回を数えた上に、シード元年の今回は自力でつかんだ出場権だ。
「僕が自信を持ってやらなくちゃ、誰がやる」。
精神面でも技術面でも底上げされて、昨年手こずったグリーン上も、今年はしっかりと攻略出来ている。
適度なスピードと、豊かなアンジュレーションは、振り幅を変えることで距離感を出すようにしたら、15番で15メートルを決めるなど、長いチャンスも怖がらずに打っていける。
絶好調の今季、足りないものは優勝だけだ。
「ここでそれが出来たら相当に鼻が高い」。
大会主催の住友ゴム工業の契約選手はホスト大会での初Vで、忘れられない1年にしたい。