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カシオワールドオープン 2018

山下が、永野が…。最終日を待たずにシード落ち

予選ラウンド最終日。スコア提出所から出てきた選手が、裏口をとおってクラブハウス2階の一室に吸い込まれていく。レストラン奥の通路にJGTOのスタッフが控える部屋がある。
決勝ラウンドに進めなかったことで、シード落ちが決まった選手たちはその場で次週、茨城県のセントラルゴルフクラブ 東・西コースで行われるファイナルQTへのエントリーを済ませる。

案内要綱などが入った一通の封筒をさげて、疲れた顔で降りてきたのが山下和宏。

賞金ランク94位で迎えた今週。通算6オーバーで予選落ちを喫した。この日、15番ではトリプルボギー。
「左のバンカーの上を狙ったのが、風のあたりが悪くてバンカーに突き刺さっていて出すだけ。気落ちして、サードをあいまいなまま打ったら右にOB。こんなに頑張ってるのに…」。

この日はほかにもスタートの1番と、5番と18番で3パットを打ったり「今年は自分の持ち味だったショートゲームがよくなくなって、バーディの数が減ったり。今日は、今年の悪いのが全部出ちゃったようなゴルフでした」と、終戦…。

98年にプロになり、08年に初シード入り。
「最初は試合に出られることがうれしくて、自分が優勝なんか、と思っていた」。
それでも何度かV争いを経験して、「回りからも優勝だと言われて、もうちょっと違う考えでやったらよかったと思うこともある」。
結局、初Vに届かないまま10年間守ったシード権を無くした。
「あっという間に今に至ってしまった」。
この10年を、振り返る間もなく次週は自身12年ぶりのQTへ。
今月15日に45歳。
「まだ体力が落ちたわけじゃない。なんていうか、歯がゆい。ウェッジの距離感がほんとに悪い。それが、どこからきているのか。ちょっとヒントみたいなのもあったので。今から練習してちょっとでも」。
いったん、帰宅して出直しだ。
「またお会いできますように」と、去った。
その山下と、同組で回っていた永野竜太郎もまた、苦しんでいた。

初V者が続く今季。「自分も流れに乗りたかったが、乗れなかったという感じ」。
今季は、なんといっても国内開幕戦だった。
「東建ホームメイトカップ」でツアー初優勝を飾った重永亜斗夢は同じ熊本出身の同級生。
「アトムの優勝は、僕も目の前で見れましたし率直にうれしかった」と後に続きたい思いもかなえられないまま、シード落ちだ。
「なんですかね? なんだろう…、なんか1年うまくいかなかった。求めるものが、高すぎたのかもしれない」。
わかっていても、自身で上げたハードルを、おろすことをよしとしなかった。
「そこは、自分のゴルフスタイルなので。自分の満足できないゴルフでシードを獲るのも手だったかもしれないけど、下げてまでというのはちょっと違うのかな、と。そこはずっと求めていきたいです」と、気丈に話した。

この日はほかに、最終日を待たずに宮本勝昌や小林正則、松村道央、薗田峻輔らのシード落ちが決まった。

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