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アコムインターナショナル 2000

「勝てなかったことを、努力の材料にできたから―」

2年4ヶ月ぶりの谷口徹の優勝インタビュー

 「2勝目まで長かったから、今日は本当に嬉いですね。
 今日は打てばピンに寄る、という感じで、これまでの優勝争いの中でベストプレーに近かった、といえると思います。
 今日は、今までの戦いの中で1番、リラックスしていました。プレッシャーもなかったし、不安なんか、ひとつもありませんでした。
 今野君もコンランもすごくいいプレーをして追い上げてきていたけれど、相手が取っても、ボギーさえ叩かなければ大丈夫。自分のペースさえやり通せばいい、と思えた。それくらい、ショットが充実していたんだと思います。フェアウェーをはずしたもの11番だけ。ドロー、フェードと思いどおりに打つことができたし、お互いにハイレベルな戦いもでき、本当に楽しいラウンドでした。

 それに、ジャック・ニクラウス設計のここ、石岡GCは攻めて行ったら取れる、スコアが出る。プレーヤーにとって、やりがいのある、本当にいいコース。だから僕も攻め続けることができたんだと思います。

 勝てない時期は、こんなにも勝てないものか、と思ったこともありました。でも、これまで接戦で負けつづけてきたから、今度はきっと大差で勝てるはず、という気もしていました。
 勝つためには、ほんのわずかなキックの違いや、バーディパットがカップをなめて入らなかったりということが、いかに少なかったか…最終的には、そういうツキも関係するんだと思う。

 なかなか勝てなかったことで、僕はそういう1打の重みを、人一倍感じることができたし、なにより、これまで勝てなかったことを、努力の材料にできたから、逆によかったんだ、とも思う。

 賞金王の可能性とか、米ツアー受験とかいろいろあるけど、そういうものは取ろうと思って取れるものでもない。1試合、1試合、ベストを尽くした積み重ねの末についてくるものです。
 だからとにかく年末までは1戦、1戦がんばって、もっともっと努力して、できればあと3勝、4勝もしたい。その後のことは、それからじっくりと考えたいと思います」

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