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谷口徹も“初トロフィ”に感無量…
2回連続出場の谷口徹がこの2年間というもの、ずっと胸を痛めてきたのは「あのとき、直道さんには相当の恥をかかせてしまった」ということ。
「みんな、かなりのショックを受けて帰国したから…。今回は、絶対に負けられないという思いがすごくあった。直道さんに優勝を捧げることが、僕らの使命だと思って戦った」という。
40歳は、タイのマークセンに次ぐ年長メンバー。ベテランとしての牽引役も自覚していた。
特に、初日から2日間のダブルス戦は石川遼とのペアにも「直道さんの“引っ張ってくれよ”というメッセージを感じた」とその意図を即座に汲み取り、何かと17歳を気遣い支え続けた。
昨年のワールドカップでも、今田竜二とのペアで3位に入った“マッチの鬼”は、「遼くんにはまだ慣れないゲーム方式だし駆け引きとか、色んなことを勉強して欲しかった」という。
時に厳しい言葉で叱責したのも後輩に、代表としての責任と誇りを感じながら戦う団体戦の醍醐味を伝えたかったからこそ。
2日目のフォアボールで執念のドローに持ち込んだのは、谷口の意地だった。
そして、いよいよ最終日のシングルス戦で本領発揮だ。
なんと7&6の圧勝で締めくくり、チームに大貢献。
「日本を越えて、アジア代表としてチーム一丸となって戦えたこと。まして勝てたことが嬉しかった。直道さんに優勝を捧げることが出来てホっとした」と、この2年間背負い続けてきた肩の荷をようやく下ろした。
石川は「谷口さんと一緒にダブルス戦を戦ったことが、タイでのいちばんの思い出」と振り返った。
17歳に、思いが伝わったと実感した瞬間。
また表彰式のあとの記者会見で石川が、「昨日のフォアボールでは毎ホール、谷口さんにカツを入れられまくって気合いが入った」と答えたとき、谷口の目にはうっすらと涙がにじんでいた。
大会2日目(フォアボール)の結果
大会初日(フォアサム)の結果
大会前日(1月8日)の模様
練習日(1月7日)の模様