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全英オープン2日目 谷口徹「明日もステディなゴルフを」
今年の『日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯』優勝で自身初のプロ日本一に輝き、目下、国内の賞金ランキング2位をひた走る谷口徹だ。
「怪我のないようにスコアメイク」をモットーにこのリンクスコースを戦っているが、スコアを崩さない秘訣はバンカーに入れないことにある。
セントアンドリュース オールドコースには、112個というとてつもない数のバンカーが点在する。どれもアゴが高く、通常のスイングでクラブを振るのさえ困難なポットバンカーからは、グリーンを狙うどころかバンカーから出すだけで精一杯となる。
小田龍一も昨日「絶対に入れちゃいけない」バンカーに入れてそのホールをダブルボギーとした。過去にこのコースで開催された全英オープンでも、世界の一流選手が2度、3度と大叩きしている。そして、2005年に優勝したタイガーウッズも、一度もバンカーに入れることなく、2位に5打差をつける圧勝で制した。
谷口も今日を終えて、予選ラウンドではまだ一度たりとも入れていない。
それが今日のノーボギーにも繋がっている。
相変わらず、パッティングは絶好調。ショットもまずまずなのだが、USPGAツアーで平均飛距離が300ヤードを越えるダスティン・ジョンソンが同組なだけに、この2日間は嫉妬の連続。「17番ではホテルの屋根の上を越えて行くんだからな〜。彼のドローボールには感動した。」と舌を巻くが、スコアでは谷口が1つ上回ったから余裕もある。
谷口は2000、02、06年に平均パット数で1位に輝く名手。そして今週降ろしたての、プロ初優勝以来のピン型パターを引っ提げて、鬼に金棒状態。
最終迎えた18番では、昨日はバーディチャンスにつけながらも「つかまりすぎた」と取り損ね。今日はそのお返しとばかりに、30ヤードのアプローチを1メートルにつけた。「最終ホールでバーディはカッコいいから」と、ラインをじっくり読んで打ったボールはカップに吸い込まれた。
18番にある巨大スタンドから大きな拍手と歓声が上がると、右手で力強く握りこぶしを作って感情をその一点に込めた。14位タイで自身のセントアンドリュース初の予選通過を果たし、最高の形で決勝ラウンドに駒を進めた。