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ANAオープン 2009

谷口徹が単独首位浮上

衝撃の出会いはいまから5年前だった。2004年大会のプロアマ戦。10番ティで出迎えてくれた全日空のキャビンアテンダントが今の奥さんだった。

亜紀さんを一目見るなり、仰天した。
「こんなにキレイな人がいたんだ……」。
そのあと、どのように恋愛へと発展させていったのか。
「恥ずかしいから、それは言わないけれど。そのあたりは僕のテクニックで」と、照れ笑い。

とにもかくにも、このANAオープンが2人の大事な思い出のトーナメントであることは間違いない。
日程の関係などもあって、思い入れのある今大会は2005年以来の出場だ。
4年ぶりの輪厚は、かねてよりグリーンの相性が悪かった記憶があった。
「傾斜と芝目の読みづらさが両方重なって。スーパー絶好調で臨んでも、ここのグリーンだけは入らなかった」と、振り返る。
もともと苦手意識があったコースは今回、久しぶりの参戦で、あえてぶっつけ本番で挑むことにした。

たとえば、今年8月の関西オープン。全米オープンから帰国したばかりの藤田寛之がやはりぶっつけ本番で出場し、今季2勝目を飾った。
それにあやかったのが、うまくハマった。

「昨日の初日は“練習ラウンド”。そして今日はとりあえず“プロアマ戦”をやっているつもりでプレーした。新鮮な気持ちでなかなか良かった」。
気負いのないゴルフが、2日間で10アンダーの大量スコアにつながった。

先週1週間のオープンウィークでみっちり打ち込んできたショットも冴え渡る。
輪厚にしては珍しく、無風の初日に4位タイと好スタートを切ると、いよいよ名物の強風が吹き荒れたこの日2日目に爆発した。

亜紀さんとの思い出が満載の10番スタートこそ風を読み違えて3パットのボギーを打ったが、12番で4メートルのチャンスを決めてすぐに立ち直った。
14番で8メートルをねじこみ、戦闘モードに入った。
後半も4つ伸ばして通算10アンダーに、「ようやくやる気が出てきた」と、不敵に笑う。
「ウッズなら、これだけ伸ばしたら楽勝だけど。僕はまだまだ。明日からが、いよいよ初日のつもりで。すべてを忘れてゼロから行きたい」と、意気込む。

2007年の日本オープン以来、見放されたままの勝ち星。
このまま逃げ切って、最終日にみごと2年ぶりのツアー通算15勝目を達成したら、同日日曜日に行われる長女・菜々子ちゃんの運動会を振り切って、北海道まで来た甲斐もあるというものだ。

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