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関西オープンゴルフ選手権競技 2012

地元出身の山下和宏は9位タイ浮上に「道がつながった」

酷暑のラウンドも、「試合に出られることが嬉しくて」。そんな思いがいっぱい詰まったこの日の64だった。インスタートの11番と、12番で、5メートル前後のチャンスを立て続けに外したが、次の13番で「思いがけないのが入った」。
寄ればいいという13メートルのバーディパットがカップに沈んで、「待てば必ず流れが来る」と確信した。

18番では第3打が同じ組の韓国選手、S・J・パクのボールに当たって、ピンそば50センチで止まった。
「当たらなければ、2メートル以上は行っていた。カムサハムニダ」と、感謝のラッキーパンチ。
これを挟んで17番から、折り返しの1番まで3連続バーディを奪うなど、ボギーなしの64で、初日の75位から一気に9位タイに浮上して、「道がつながった」。

今大会でトップ10以上なら、可能性が出てくる10月の日本オープンへの“道”。
先週の8月7日、8日に開催された最終予選会(大利根CC)は、取りやめるしかなかった。
ほかにも、同3日、4日、5日に和歌山県の橋本カントリークラブであったツアー外競技の南都オープンも欠場した。

「ツアーでも、小さな大会でも、欠場するのは生まれて初めてだった」と、残念がる。
2週前のサン・クロレラ クラシックが終わって翌日の月曜日に、マイカーから降りようとしたときに、右の股関節が「ポキっといった」。不吉な音。
そのあと、痛み止めをのまなければ寝られないほど患部が痛み、精密検査で絶対安静を言い渡されて、せっかくの2週間の空き週も、棒に振った。

長男の泰生君に、「お父さん、今日もおうちにいるの? 今日も? また今日も・・・!?」と喜ばれたのはいいが、プロゴルファーとしては、不安と葛藤の日々だった。

それだけに、経過も良好でこの関西オープンにエントリー出来たことが嬉しい。
なんとしても切符が欲しい日本一決定戦。
その予選会を兼ねた今大会では、悲願のツアー初Vもかかっている。
まして上位には、外国勢がひしめけば、開催コースの地元・大阪府高槻市出身の山下の思いも複雑だ。
「関西という名がついている大会なのだから、違う国の人が勝つというのも・・・。自分とこのエリアでなんとかしたい気持ちはある」。
自宅から、車でわずか30分。
週末も地元愛をコースにぶつける。

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