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The Championship by LEXUS 2010

山下和宏が首位タイに

同組のジャンボ尾崎もうならせた、この日のパッティング。バーディチャンスはもちろん、きわどいパーパットも外さない。「昨日は調子が良かったティショットが、今日は曲がりまくって」。
だが林間コースの対処法は、心得ている。
うっそうとした松林が生い茂るここ茨城県の大利根カントリークラブは、所属コースの兵庫県は、ザ・サイプレスゴルフクラブに「どことなく似ている」。

先月2週間のオフも家族揃って腰を据え、みっちりと練習を重ねたばかりだ。
「林から、転がし出して寄せていく。ピンチも、挽回出来る。そこからどうしのぐか、というのに慣れているんです」。

前半の15番と、5番でも右の林に打ち込んだが冷静にいったん出して、いずれも3メートルのパーパットを難なく決めた。
ボギーはやっぱり右の林に打ち込んだ9番ひとつにとどめ、「我慢、我慢」で通算8アンダーは、首位タイに浮上した。

昨年はトップ10入り8回の活躍で、2年目のシード権を確保。
おのずと、周囲の期待は高まった。
「今年はぜひ初優勝を」。
もちろん、本人もその気満々で開幕を迎えたが、結果を急ぐあまりに空回りした。
「意味もないのに初日からよ〜し、と入れ込んでみたり、このアプローチを寄せるぞ、と躍起になったり」。
思えば思うほど、遠ざかる。
「そのうち、今度は予選カットが気になり出して」。悪循環。
今年は、ウェッジの溝規制が導入されたことで、アイアンを総取り替えしたり、調整が間に合わなかった影響も大きかった。
「春先は調子が悪くて」。
出遅れが焦燥感をあおったが、それもようやくリセット出来た。

所属コースで練習を重ねたのは、ピンチのしのぎ方だけではない。
「100ヤード前後からワンピン距離のチャンスに寄せる。僕の得意分野です」。
それも、ただ漫然と球を打つのではなく、「練習場ではコースで打つように。コースでは、練習場で打つように。その差を縮めて、中身の濃い内容になるよう心がけた」という。

いつも笑顔の貴公子は、「練習の成果がようやく出ました」と、さやわかに微笑んだ。
「まだ2日目。折り返したばかりですから。マイペースで行きます」と、気負いは微塵も見られない。

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