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日本チームはリベンジに燃える

日本チームは27日の水曜日、最年長メンバーの谷口徹を筆頭に、谷原秀人、小田龍一、高山忠洋が朝からコースに出ていった。谷口にラウンドを申し出た高山は、この大会にかけるベテランの、並々ならぬ思いを知っている。

残念ながら谷口が、メンバーから外れた昨年大会。最終日の前日2日目に高山は、日本で吉報を待つ谷口から“国際メール”を受け取っている。

「明日は絶対に負けるなよ!」と書いてあった。
インターネットの速報で、勝敗にやきもきしてのことだった。
「それだけ谷口さんは、団体戦を大事にする人なんだと思った」と高山は振り返る。
「谷口さんは日本代表であることを、人一倍誇りに思っている」。普段はクールで、絶対にそんなそぶりは見せないだけに、なおさら高山には谷口の思いが伝わってくるような気がしたという。

今年は、再び代表入りを果たしたその谷口を含めて40歳以上が3人。高山ら、30代が4人。今年新たに代表に加わった藤本佳則ら、20代が3人。
ベテラン、中堅、若手が良いバランスで顔を揃えただけに、「真ん中の僕らが架け橋となって、良きムードメーカーでありたい」と、高山は言う。

今季ツアーでは、自身まだ思うような成績が出せておらず、賞金ランキングを見ても「メンバーの中ではいま僕が、一番悪い」との自覚があるだけに、「せめて明るいムード作りで貢献したい」という高山。

「韓国チームは勝ちに来ている。それをひしひしと感じるので。相当気合いを入れていなかくては」と、なおさら気も引き締まる。

谷原は、特にリベンジに燃えている。あの悔しさは、今も忘れられない。初回の2004年。最終日のシングルス戦が終わって同点の決着に、プレーオフにかり出されたのが当時、最年少の谷原だった。「え?俺が?!」とよく分からないままに、Y・E・ヤンにこてんぱんにやられて、チームは苦杯をなめた。
「あの借りを返す」と、燃えている。
「チーム一丸となって、良いプレーが出来たらいい」と、今年こそは圧勝で栄冠を奪還したい。

小田龍一は、2年ぶり2度目の代表入りに、谷原との練習ラウンドを視察にやってきたキャプテンの青木功にさっそく言われた。
「お前は開き直ってやればいい」。
一昨年は、「お前は肝っ玉が小さいんだろう」と言い当てられてうつむくしかなかったが、2年目の対抗戦にいつまでも弱気ではいられない。

この日は、朝9時からの練習ラウンドに間に合うように、自宅のある鹿児島県から、愛妻の優子さんの運転で、深夜1時に6時間をかけて、車を飛ばしてきたことからも分かるように、いつになく気合いが入っている。

「チームに迷惑は、ぜったいにかけると思う。でも、それを最小限にとどめたい。最後まで絶対に諦めない」と、力をこめた。

※日本チーム選手一覧
青木功 (1942年8月31日生まれの69歳)
・・・キャプテン

高山忠洋 (1978年2月12日生まれの34歳)
石川遼 (1991年9月17日生まれの20歳)
谷口徹 (1968年2月10日生まれの44歳)
藤田寛之 (1969年6月16日生まれの43歳)
・・・2011年ジャパンゴルフツアー賞金ランク上位4人、外国籍選手除く

谷原秀人 (1978年11月16日生まれの33歳)
小田龍一 (1976年12月12日生まれの35歳
深堀圭一郎 (1968年10月9日生まれの43歳)
近藤共弘 (1977年6月17日生まれの35歳)
・・・開幕戦からとおとうみ浜松オープンまでの賞金ランク上位4人、外国籍選手除く

池田勇太 (1985年12月22日生まれの26歳)
藤本佳則 (1989年10月25日生まれの22歳)
・・・キャプテン推薦

  • 練習ラウンドで、谷口(右)に「自分で決めたことをやり抜け」とのアドバイスを受けたという高山(左)。「谷口さんの闘志に僕も少しでも答えたい」と話した。
  • 小田(左)と谷原(中)はキャプテン青木のゲキを受けながらの練習ラウンド。小田は「開き直ってやれ」と青木に言われたという
  • 8番ホールから9番に続くスカイエレベーターでおちょける2人
  • お調子が過ぎた?! 谷原は、青木に愛のお仕置きを受けて「うへっ」

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