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谷口徹が復活優勝をあげた日本オープン最終日に実際にかぶっていたキャップ…3万3500円

大会初日と2日目には、悪天候によるサスペンデッドがあった。3日目には、1日24ホールの長丁場もこなした。深いラフ、点在するバンカー。最終日はこの週、いちばんの強風が吹き荒れた。
海からの風に翻弄されて、数え切れないほどのピンチを迎えた。
突き放した、と思ったら追いつかれた。息詰まる接戦。
次々と襲い掛かるピンチを乗り越えて、ようやくここにたどり着いた。

2年ぶりの復活優勝。
日本オープンでの4日間は谷口にとって、さまざまな苦しみにも耐え抜いた、2年間の縮図だった。

賞金王に輝いた2002年から、遠ざかっていた勝ち星。その年末にはふいの病に倒れ、ゴルフどころか普通の生活をするのも精一杯、というつらさも経験した。
ようやく復帰しても再発の不安から、しばらくはゴルフに対し、以前のような情熱を感じることさえできなかった。

どん底を乗り越えた喜びが、谷口の頬をぬらしていた。
優勝インタビューで見せた男の涙。
この2年間、押さえ続けてきた感情が、片山津の18番グリーンであふれ出ていた…。

この復活優勝をきっかけに、翌週のブリヂストンオープンで2週連続優勝を達成するなど、最後まで賞金レースを争って、2004年ツアーを盛り上げた谷口が、JGTO・GDO共催の新潟中越地震・被災者救済基金チャリティオークションに出品してくれたのは、日本オープン最終日にかぶっていたキャップ。

ネットオークションで、3万3500円で落札された。

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