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カシオワールドオープン 2016

池田の2つ上、正岡竜二が自己ベストで3年連続のシード権を確保

大学の2つ下の後輩だが、まるで師匠のように接する池田が、自身の今季3勝より喜んだのが、2つ上の先輩のことだった。

最終日の中止が決まり、競技は54ホールに短縮されたが、大雨の中で、足を運んでくださったギャラリーの皆さんにもぜひ参加していただこうと、きゅうきょクラブハウス前で行われた表彰式の優勝スピーチで語ったのは単独2位のまま競技を終えた正岡のこと。

「自分のことのように嬉しいというのは、こういうことなんだな」としみじみと、今大会が始まる前は遠く“圏外”の賞金ランクは88位にいた正岡が、54ホールの短縮とはいえ自己ベストの2位と大逆転で、3年連続のシード権を決めたことに、池田が胸をなで下ろした。

自分より2つ上なのに、学生時代から慕ってくれた先輩。プロ転向後もいつも一緒に練習してきた仲間でもある。
「竜さんが、自分でつかんだ。良かった、ひと安心したというのが僕の素直な気持ち。竜さんが自分でこれでまた来年も一緒に戦える」。

安堵と同時に、なぜかこれまた本人以上に気を引き締めて「来年は、こういうことがないように。いちから準備してもらって、最終戦まで引っ張ることがないように。俺がさせなきゃいけない」。

2つ下の後輩の、そんな思いを知ってか知らずか、最終日の中止が決まるなり、大混雑のクラブハウスで自分の姿を見つけて嬉しそうに駆け寄ってきた2つ上の先輩。

「とりあえず、確保しました!」。
「・・・わかっとるわ!」。
2つ上とは思えない。天真爛漫な笑顔に、2つ下の後輩はため息交じりに「沖縄人なのでね。ほんとのんびりしてる」と、笑った。

2つ下の後輩ににらまれてもニコニコと「神様にチャンスを与えられたので頑張ります」と、正岡。
開催前の遠く圏外から第二枠すら飛び越えて、賞金ランク51位は上位60人の第一シードにも滑り込み、ウハウハでも4人の子持ちだ。
54ホールの2位賞金1500万円も、「無駄使いは出来ない。これまでの遠征費もあるし、これまでと変わらない」と堅実に、「また勇太と今回みたいに優勝争いできるように、今度は準備不足と言われないように、頑張ります!」。
家族にも、2つ下の後輩にも二度と苦労をかけないように頑張りたい。

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