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日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills 2011

単独3位の山下和宏

ボギーなしで迎えた最終18番。「このまま上がれれば、かっこいい」と、ちょっぴりリキんだ第2打を、グリーン右のラフに打ち込んだ。寄せきれず、最後の最後に、この日最初のボギーを打ったのは残念だが、「こんな天気の中で、まさかアンダーで回れるとは」。

あまり距離が出ない山下にとっては、特にあがりの17番は「地獄だった」。479ヤードの池越えのパー4は、たっぷりと雨を含んだ芝に、2打目が228ヤードも残ってしまった。
「スプーンで打って、どうにか手前に乗せた」とパーでしのいだ。

近ごろは、帯同キャディをやめている。
「ここのところ、頼りすぎてしまうところがあって。慣れが出ていた」。
思い改めるためにも今週は、宍戸のハウスキャディさんを起用した。

アドバイスに耳を傾けながらも、「もっと自分で考えてプレーするようにならないと」。
頭を使ったラウンドは、「今日はそこもうまくいったと思う」。

その分、ハウスキャディさんとは会話を楽しみながら「ほのぼのとラウンド出来た」と、辺りはどんよりと、雨雲が垂れ込める薄暗い天候の中で、ひときわ笑顔が輝いた。

シード3年目の今季は、序盤からどうも調子が出ない。
「100ヤード前後のショットがピンに寄らない。僕らしさが無くなっていた」。アドレスしたときに、クラブフェースがどこを向いているか分からない。
「乱視のせいかな?」。それで、距離感も合いにくかった。

考えた末にフェースの溝の、上から3番目と4番目を白く塗ってみることにした。クラブメーカーのスタッフには、「そんなこと、やめてください」と反対されたがダメもとで「一度試してみよう、と」。

効果てきめん。
自慢のショートアイアンが、たちまちよみがえった。
「なんだ、こんなことか」と、本人も拍子抜けするほど小さな発見は、しかし不振脱却への大きな一助となった。
「上位に行ける、というペースを掴んだ」。

山下にとってもタフなコースには違いないが、「コツコツとスコアを積み上げていく」。ここ宍戸は、堅実ゴルフがウリの選手向きだ。
ツアープレーヤーNO.1決定戦で迎えたツアー初優勝のチャンス。このまま上昇気流に乗りたい。

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