記事
やっぱりJGTOがいい! 谷口徹のあくなき存在感(日立3ツアーズ選手権、12月15日)
今年は、シニアチームで7年ぶり4度目の出場を果たした谷口徹がいい味を出した。
各3チームはそれぞれ揃いのベンチコートを羽織るが、谷口徹はカメレオン。青いコート姿で、緑のJGTOチームに交じりたがって、ちょいちょいちょっかい。
初出場の堀川未来夢に絡む。
「こっちは先輩ばっかで気を遣う。いいなあ、俺もそっちで出たかった」。
前・後半とも敵味方で対戦することになった今平周吾にうらみがましく「…周吾、俺のこと介護してくれるの?」。
51歳の今もレギュラーツアーを掛け持つスーパーシニアはオープニングの各代表挨拶でも、マイクを握って未練たらたら。
「僕は、いつもはレギュラーと一緒にいるんですけど、普段は、若い選手と一緒にプレーをしているんですけど、今年はシニアというチームに入れさせられて…」。
「じゃあ出なくていいよ!」と、背後で倉本昌弘・PGA会長。”味方”にヤジられても、ちっとも構わず「僕も娘が2人おりまして。女子のほうを応援したい。そういう気持ちでプレーします」と、気持ちはブレブレ。
前後半とも、女子の2トップと相まみえて、メロメロ。
女王・愛さんと、シブコさん。
「10年以上前に比べたら、女子は随分上手くなりましたね。飛距離も出ますし、パターも外す気しないですし。鈴木愛ちゃんとかもうロックオンだと。そのくらいの雰囲気がありますね」。
シニアで初の代表入りは不本意でも、渋野日向子さんと一緒に回れた。「僕も初めてですもん。生・日向子に会えた。すべてが上手くて、スイングもしっかり振り切れている。一緒にプレーができてよかった」。
久々に、大ギャラリーにまみれてプレー。
「これ大丈夫かな、と。彼女たちは慣れているけど、僕は全然最近慣れてない」。
ベテランが、大衆人環視のゴルフでひそかに緊張しながらいざコースでは、勝負師の意地が出た。
グレゴリー・マイヤーと臨んだ前半、各自のボールを打って進むベストボール戦では1番から4連続バーディを記録。
女子と分け点1.5でチームに貢献すると後半、一球を交互に打つオルタネートは倉本会長とのコンビで「大先輩に、叱られないように」と、いっそう気合が入った。
3、5、6番など長いバーディトライをスコスコ沈めて若いキングを降参させた。
「谷口さんはやっぱり凄い!!」と、今平に褒められ背筋が伸びた。
最終マッチを戦い終えて、表彰式までの短い間に立ち食い焼きソバを、並んでかきこんでいた際に、ふいに「男子も、女子みたいにもっと雰囲気を、出していかんと」。
今平に「女子みたいに男子も人気を上げていくには?」と、質問を受けてのことだ。
「女子は女子、男子は男子。比べるものじゃないけど今日、見て思ったのは、なんだかんだ言ってもやっぱりプレー。女子は誰か(一人)だけじゃない。みんながアグレッシブなプレーで盛り上げている。常に攻めている雰囲気が、凄くいい。そういうのがやっぱり、スポーツでは大事なんと違うかな」。
もぐもぐしながらそんな説教を、今平に聞かせていた谷口。
「来年はJGTOで出るよ。そうしたら、ノンプレーイングキャプテンでもしようかな?」。
そこは、周吾もただ苦笑いだ。
<シニア・PGAチーム>
T・ウィラチャン(シニア賞金ランキング1位)
P・マークセン(同2位)
倉本昌弘(同3位)
秋葉真一(会長推薦選手)
G・マイヤー(会長推薦選手)
谷口徹(会長推薦選手)