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2005年 シーズンに向けて日本ゴルフツアー機構・理事長 島田幸作より新年のごあいさつ
昨シーズンを振り返りますと、ツアー29試合で8人の初優勝者が誕生し、そのうち5名はいわゆるシード権を持たないクォリファイングトーナメントから出場権を得た選手たちでした。限られた試合数の中で優勝を手にするには、実力と強い精神力を兼ね備えてなければなりません。その意味でクォリファイングトーナメントやチャレンジツアーの実施によって、ツアープレーヤー全体のレベルが着実にアップしているものと確信いたします。
その一方で、昨年は外国人選手が試合数の半数を超す15勝を上げ、また若手の台頭が著しい女子ツアーの勢いに注目度も押され、「どうした男子ツアー」という声を各方面から拝聴いたしました。
選手一人ひとりのレベルは確実に伸びていますが、残念ながらかつてのAONと呼ばれた青木プロ、尾崎プロ、中嶋プロのようなツアーを背負って立つ中心選手が見当たらず、皆さまに期待感を抱かせることができなかったことが一因となっていると痛感しています。
2000年以降、片山晋呉選手、伊沢利光選手、谷口徹選手の3人が賞金王になっていますが、残念ながら誰も連続して賞金王の座を射止めるにはいたっていません。2年、3年、4年…と連続して賞金王になるには、技術的にも精神的にも、また肉体的にも計り知れない努力が必要です。連続賞金王になってこそ、ほかの選手の目標となり、そこに更なる高いレベルでの競争が生まれ、見る人にも感動を与えることができると思います。
片山選手、伊沢選手、谷口選手は世界でも十分に戦える実力があり、実績も残しています。是非とも、今年はジャパンゴルフツアーにおける確固たる地歩を賭けた熱い戦いを繰り広げて欲しいと期待いたします。
1999年、私たちはツアーの環境を整え、ツアープレーヤーのレベルを高め、質の高いジャパンゴルフツアーの実現によって、「世界で勝てるプロを育てる」ことを目標に日本ゴルフツアー機構を設立いたしました。これまで丸山茂樹選手が世界最高峰のUSPGAツアーで2001年から3年連続して優勝を飾るなどジャパンゴルフツアーの名を世界に知らしめてくれました。
そして昨年は遂に4大メジャー競技のひとつ、全英オープンにおいてジャパンゴルフツアーから出場したT・ハミルトン選手がプレーオフの末E・エルス選手を破り、メジャータイトルを獲得しました。T・ハミルトン選手は92年にアジアンツアー総合優勝の資格でジャパンゴルフツアーのシード権を獲得し、以来、12シーズン日本で活躍した“日本育ち”のプレーヤーです。ジャパンゴルフツアーで練磨した技術と精神的なタフネスさで獲得した世界最古のタイトルは、私たちに感動と勇気を与えてくれました。
もうひとつ、青木功選手の世界ゴルフ殿堂入りも、私たちの大きな財産です。1980年代初め、青木選手が切り拓いた世界への道。約20年経た現在、その道は丸山選手が引き継ぎ、今年もUSPGAツアーにはシード選手として丸山選手、T・ハミルトン選手、田中秀道選手、A・ストルツ選手の4名が参戦するほか、谷原秀人選手とD・ウィルソン選手が新たにツアーカードを取得して挑戦することになりました。
またヨーロッパツアーには佐藤信人選手が、USPGAチャンピオンズツアーには飯合肇選手が昨年に引き続き挑戦します。世界のフィールドで戦うジャパンゴルフツアーの選手たち。各選手の活躍を信じ、今年も海外から朗報が届くことを期待します。
最後に、ゴルフ業界をとりまく厳しい環境にもかかわらず、今年も28試合のツアートーナメントが開催できる運びとなりました。これもひとえにトーナメント主催者、特別協賛各社、各ゴルフ団体関係者らのご理解とご支援、多くのゴルフファンのあたたかいご声援の賜物と深く感謝いたします。
私たち日本ゴルフツアー機構は皆さまのご期待に沿うべく、より一層努力し、邁進していく所存です。何卒、これまで同様皆さまのご支援、ご協力を賜りたくお願い申し上げます。
2005年元旦
日本ゴルフツアー機構・理事長 島田幸作