記事

日本プロゴルフマッチプレー選手権 2003

<第2回戦の結果>谷口徹 VS 金鍾徳 3-1で谷口の勝利

14番パー5で、久々に見せた。右手を高々とあげて大きなガッツポーズだ。
ピンまで残り30ヤードの右林からの第3打。前方を木の枝にさえぎられながらも、 ウェッジで低く打ち 出すアプローチで、手前エッジから転がして直接カップイン。第2打を池に打ち込ん でいた金鍾徳に、 とどめの一撃。このイーグルで勢いに乗った。16番で2メートルを決めて2アップ。17 番パー3では、テ ィショットを打った瞬間、勝ちを確信していた。ピン手前5メートル。これを沈め て、3アンド1で決着 だ。
昨年の賞金王も、今年はまだ勝ち星がないが、「こうやって1人1人やっつけていくこ とが、リハビリに なる。1戦1戦、勝ち抜いて自信につなげたい」。99年大会から2年連続の準優勝、世 界 ゴルフ選手権アク センチュアマッチプレーでは堂々3位の実績。正真正銘の“マッチの鬼”が、得意の ゲームで再び息を 吹き返しつつある。
不安があったティショットが、今週に入って安定しはじめたことが大きい。月曜日、 昨年勝った東海ク ラシックのビデオを2回見た。調子が良いときならば意識せずとも自然にできていた スウィングのタイ ミングが、早くなっていたことに気が付いた。
「もっと大きくゆったりと」。1対1の心理戦に集中しながらも、1ホールごと修正ポ イントを意識して やるうちに、「ドロー、フェード。打ち分けもうまくできて、今は絶好調の時に近い スウィングができ てきた」確かな手ごたえを掴みつつある。
目の前の相手を倒していくこのゲーム方式に、持ち前の負けん気も呼び覚まされてい る。ひとつ勝つご とに「絶対に、負けたくない」という気持ちが次第に強く沸いてきた。「調子が悪く て も、ここでは不思 議と勝てるような気がしてきた」強気のコメントには、ここしばらく封印されていた 攻撃ゴルフも復活 のきざしだ。
昨年、幾度も炸裂させたガッツポーズは「今はまだ、それほど気合の入ったゴルフは していないから」 とおさえ気味だが、それでもこの日の2回戦では14番のほかに「心の中では小さく ガッ ツポーズしたシー ンもあった」と、テンションも徐々に上がってきつつあることを打ち明ける。
続く3回戦の相手は94年大会のチャンピオン、トッド・ハミルトンだ。谷口にとって 「一番、手ごわい 相手」。ほかの選手ならば「普通にやって勝てる気がする」が、今季3勝と絶好調の ハミルトンには、 そうはいかない。「最強の選手。だからこそ、彼を倒せればかなり自信になると思 う」。谷口が、正念 場を迎える。

関連記事