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女子ツアーは連覇ならずHitachi 3Tours Championship 2007 DAY2(12月8日)
「桃子ちゃんには絶対に負けたくない」。
負けず嫌いで有名という上田選手も、ひるむことなく言い返す。
「私だって負けません!」。
2年ぶりのタイトル奪還を狙う男子ツアーと、連覇をねらった女子ツアーは互いに一歩も引かずに戦いの火花を散らせ、賞金王と女王の直接対決こそ引き分けに終わったが、総合優勝は男子に軍配。
全力で戦い終えて、我に返った谷口は女王相手に「ついムキになってしまった」とあとでしきりに照れ笑いを浮かべたが、その甲斐はあった。
諸見里しのぶ選手はこの日最終日の3rdステージで、いきなり1番ホールでチップインイーグルを決めた谷原秀人に度肝を抜いた。
「谷原さんは、朝イチから練習もしないのに入れちゃうんだ、と・・・」。
同時にスリリングな男子のプレーには、「大先輩と回らしてもらって、本当に勉強になったしやる気も出てきた」と、来シーズンへの闘志が沸いてきた。
2年連続の出場を果たした飯島茜選手は、やはりFinalステージで回った谷原秀人と、同じマネージメント事務所という縁もあり、このオフにパッティングを習ったそうだ。
「でも、今日、谷原さんと一緒に回ったことで、教わったことが全然出来ていないとわかった」と、反省を口にした。
賞金ランク2位の全美貞(ジョン ミジョン)選手も「男子やシニアの有名な選手と一緒のラウンドは、ただ見ているだけで自分のゴルフのイメージが良くなって、とても勉強になりました」と、みな揃って今後の課題をけなげに繰り返した。
平均年齢23.4歳は、3団体でもっとも若い最年少ツアー。
賞金ランク5位の張娜(チャン ナ)選手は母国のことわざを引用し、首位の男子と2位のシニアを持ち上げた。
「中国では、生姜は古いほど辛いといいます。先輩たちが、一枚も二枚もうわ手だったということですね!」。
年齢も性別も関係なしに、出場選手みんなが全力を出し尽くした2日間。順位こそ最下位に終わったが、男子が仕掛けた真剣勝負に、女子ツアーのメンバーには特に実りが多かったようだ。
女子ツアーの日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の樋口久子会長は、「LPGAは若いチーム。男子とシニアのみなさんから学ぶことは多かったと思います」と、感謝を寄せた。
勝負には敗れたが、ひときわ大きな声援を受けて戦った女子チームの面々は閉会式で、あらかじめ用意したサインボールだけでは物足りず、かぶっていたサンバイザーやキャップなど、身に着けていたものを次々と外し感謝をこめて、ギャラリーのみなさんに気前良くプレゼントしていた。