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ANAオープン 2010
連覇を狙う、谷口徹
男の子なら、今度こそ「遼」と名付けようと思っていたという。長女の菜々子ちゃんを授かったときから、「男の子なら」と考えていたのが偶然、その名前だった。
「遼くんが世間で知られるようになるもっと前から決めていたんですよ」と谷口。「次こそは」と、ひそかに期待していたそうなのだが2人目も女の子で、「桃子と名付けました」と、ちょっぴり残念そうに、しかし父親の責任をひとつまっとうして、安堵した。
そしてそんなおめでたムードの中でも、ずっと気がかりだったのが、折しも愛娘の誕生の日に開幕した日韓戦。
先週は韓国・済州島のヘビチカントリークラブで行われた「現代キャピタル招待 韓日プロゴルフ対抗戦」は、もともと谷口も代表メンバーに名を連ねていたが、亜紀さんの予定日がちょうど重なりそうだと分かって、やむなくきゅうきょキャンセル。
横尾要にピンチヒッターを託しただけに、戦況が気になって仕方なかった。
もし負けて帰ってきたら、「みんなに100万円ずつ、合計1000万ほど配らないといけない」と、胃が痛くなるほどまでに思い詰めていたのだ。
それだけに、最終日は1ポイント差で逃げ切ったというニュースを聞いて、心底安心したが、そんなこんなで先週は、ほとんど落ち着いて練習も出来なかったという。
「暑いのもあったし、先週は2回ほど、練習場に行っただけ」。
今度は調整不足が気がかりだったが、この日は15日(水)のプロアマ戦で、不安も晴れた。
「けっこう調子が良くて。僕はむしろ練習しないほうが、いいのかも」。
自身初の連覇にむけて、自信が戻った。