Tournament article
つるやオープン 2010
谷口徹はプレーオフには敗れても・・・・・・
最終日は大会史上希に見る好ゲーム。誰もが胸躍らせる興奮の展開も、この人の存在があってこそ。
西村社長が幾度となく繰り返す。
「谷口選手の追い込みがあったから、最後まで見所のあるゲームになりました。谷口選手には、よう盛り上げていただきました」。
壇上から、深々と頭を下げられ、日焼けした頬がほんのり染まる。
西村社長が本戦の18番を、改めて振り返る。
藤田に1打ビハインドで迎えた場面。
谷口が5メートルのバーディを奪い、藤田に並んで何度も握りしめた右拳。
「本人は、覚えてはらへんやろうけど。5回ガッツポーズをやらはりました」との指摘を受けて照れ笑い。
それから3ホールのプレーオフで敗れたが、本人にもやりきったという充実感がある。
藤田を評して「あいつも相当粘りますね」と一応は、白旗を揚げてみせたがそれにしても、最終ラウンドで谷口がマークした63のゴルフは圧巻だった。
チャンピオンも「今日の谷口さんは素晴らしかった」と、脱帽した。「恐ろしかった」と、打ち明けた。
「僕の初優勝のときに、ジャンボさんが5連続バーディを取ったけれどもそれ以来。あんなプレーをする人は、今まで同じ組にいなかった。谷口さんはオバケです」と、あとでそんな感想を残した藤田は、さらに優勝スピーチで、「遼くんだけじゃない。40歳の僕よりもまだ年上の谷口さんでもあれほどまだ頑張っている」と賛辞を送ったが、当人の頭の中にはそういう意識すら存在しない。
今季から、長尺のドライバーに挑戦している藤田が相当、飛距離を伸ばしているとは噂で聞いていたが、こうして実際に戦ってみて、「自分も飛んでいるから、それほど感じなかった」と、自分もまだまだ遜色ないことが確信出来た。
今年42歳だが「気分は40代じゃない。全盛期です。若手には、飛距離で負けないようにしようと思う」と、まだまだ血気盛んに「2戦目でいいゴルフが出来たから。この自信が早く、確信に変わって欲しいです」。
そのためにも、早めのツアー通算16勝目こそ絶対に不可欠だ。