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つるやオープン 2010

「とりあえず今は賞金王!」2週連続Vを狙う、小田孔明

今年も開幕ダッシュに成功した小田が、のっけから血気盛んだ。先週のジャパンゴルフツアー初戦の「東建ホームメイトカップ」で連覇を達成。その優勝インタビューで、堂々と宣言した。

「今年ももちろん狙ってます。賞金王を目指します」。

“有言実行”はこれまで、過去5度の賞金王の片山晋呉の専売特許であった。V宣言すれば必ず勝ち、賞金王を獲ると言ったら、必ず獲る。
いまの小田の勢いには、片山と似た雰囲気がある。

積極的に目標を口にするのは、自らにプレッシャーを与えるためだ。
「言ったことはやらないと、口先だけの人間だと思われる」。
自らに試練を課して、追い込み、やらざるをえない状況を作ることで、ひとつずつ、確実に夢を実現していくためだ。

もうひとつは自分自身の“底上げ”の意味もある。
ツアーきっての飛ばし屋らしい例をあげて説明した。
「たとえば、300ヤードを目標にするんじゃなくて。350ヤードを目指したら、自然と310ヤード飛ぶようになるでしょう? そういう考えだと思ってください」。

つまり、順位や賞金ランキングも同じこと。
「トップ10とかトップ5とか思っていたら、そこ止まりかそれ以下になってしまう。でも賞金王を目指すことによって、2位とか3位になれる可能性も大きくなる」。
だからこそ、常に高めの設定が不可欠なのだというのが持論だ。

だから毎年、年賀状にもこう書き込む。
「今年は賞金王になります。そして来年のマスターズに行きます」。
言い切ることで、心構えも違ってくる。そうやって、モチベーションを上げて行くのだ。

もちろん、今週も狙っていく。
ジャパンゴルフツアー第2戦で、目指すは自身初の2週連続優勝だ。
賞金ランキング1位で乗り込む山の原。

まだまだ仮の椅子に最初に居座った未来のキング候補は、「でも、とりあえず今は賞金王!! まだ誰も上にいないから気持ちいい!」。
この快感を今度こそ、シーズン最後まで誰にも譲りたくはない。

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