Tournament article

つるやオープン 2010

地元関西出身の谷口徹が2位タイ浮上

ここ山の原の6番は、565ヤードと距離の長いパー5だ。報道陣に、「今日は2オンですね!」と水を向けられ半分は、冗談まじりにムっとした。

「何それ、バカにしてるのん?」。
いまのツアーにあってはお世辞にも、飛ばし屋とは言えない。それでも、この日は残り247ヤードの第2打を、スプーンで乗せた。
果敢な2オンを野球にたとえ、「送りバントのサインが来なかったから、ど真ん中に乗せた」とは、今の自分はつまりレイアップの必要がない、ということを言いたかったのだろう。
「余裕で乗った」と胸を張った。
「今までは、カラーまでが精一杯だったのに」と嬉しそうに、楽々バーディで、スコアを伸ばした。

飛距離アップはドライバーを半インチ、伸ばした効果だという。44.5から、45インチへ。わずか半インチの差が若手にも負けないパワーを生み出した。
2月の宮崎合宿では早くも絶好調で、参加した他の選手たちにも飛距離で「負けなかった」と豪語する。

それに比べてアイアンは、今年から導入されたアイアンフェースの新溝規制の影響で「距離感も方向性もいまいち」。
そのせいで、なかなかチャンスにつけられないことを、今度はバスケットボールにたとえて「常に3ポイントシュートをしている感じ。ピタピタつかないので、長い目のを入れてスコアを作っている」とわざと顔をしかめてみせたが、表情は明るい。

2月に車の自損事故で肩を脱臼し、ツアー序盤を棒に振った昨シーズンとは雲泥の差だ。
「オフに、クラブを握れただけでも上出来ですよ」。
準備万端で迎えた2010年は、ツアー通算16勝目への手応えも十分だ。


関連記事