Tournament article
Indonesia PGA Championship 2013
山下和宏は「これから伸びる一方ですよ!」
この日の大会初日は、本人にとってはここエメラルダゴルフクラブの「7日目」に当たる。前週の火曜日から来て、火、水、木。そのあと、大会週に入って練習ラウンドや、プロアマ戦ではすでに、雷雨による幾度かの“競技中断”も経験するなど、ざっと合わせて7ラウンド弱。
「コンディションが変わっても、目に見えてコースのクセも分かっている」と言えるのが何よりの強みだ。
だからこの日初日は、ボギーなしの7アンダーを喜ぶというよりは、1番のパー5(546ヤード)のチャンスホールで「2打目を左に引っかけて、バーディがとれなかったのが悔しい。それが唯一残念」と、地団駄を踏む貪欲さだ。
今週は月曜日にきゅうきょ投入した新ドライバー。
「打ったら、一発で良かった」と、練習日にさっそく好感触をつかんだ。
「これからますます馴染んで、明日からスコアをも伸びる一方!」と頼もしい。
夜は、こちらに住む日本人のみなさんと、おいしい食事に舌鼓。「ごちそうになってます。ジャカルタを満喫してます」。昨年の「インドネシアオープン」は、今回ほど楽しめなかった。
「怖い、怖いばっかりで」。
たとえば、こちらで悪質なタクシーに乗ると、どこかに連れ去られるとか、そんな噂の数々も「でも、来てみたらけっこう普通で」。
いや、もちろん用心するに超したことはないのだが、よほどの冒険さえしない限りは、そうそう事件に巻き込まれるわけではない。それが分かって2度目のジャカルタ。
「タイよりも、僕は好き。リラックス出来る」。
バンコクでの教訓も、しっかりと手土産に持ってきた。
「タイを踏まえて、最後まで伸ばせるだけスコアを伸ばす」。
この日、同スコアで並んだ宮本とも話し合ったことでもある。
日本勢は、スコアが伸び出すとどうもひと呼吸おく傾向にあることは、タイで改めて我らの気質について、痛感したことだ。だからこの日は、ホールアウト後も一服などしない。上がったその足で、汗も拭かずに練習場に直行した。
この暑さでは、そんな選手はほとんどいない。たいていは、クラブハウスでまず涼むものだが「いえいえ、僕らはそれが仕事ですから!」と、力強く言ってから、でもすぐに笑み崩れて「休むと、そのまま動けなくなる気がするから」と、ついベテランの本音もこぼれ出た。