Tournament article
東建ホームメイトカップ 2014
次は俺の出番だ! 谷口徹
今年もまた恒例の宮崎合宿で、自分がゴルフの極意を仕込んだからこそ。トレーニングと師匠とのラウンドと。「どっちの効果が大きいか?」。天秤にかければ、それはもちろん後者に決まってる。
また合宿中の弟子は栄養満点。「俺がいっぱい食わしてるから」。ラウンド後の夕食の、松村の食欲旺盛なこと。「もう帰るぞ、と言ってもちょっと待ってくださいと・・・」。師匠の支払いと知っていても、遠慮のない追加オーダー。
「あいつ、ほんまに、めちゃめちゃ食うんですよ」と、弟子の早々の活躍は、マンツーマンのレッスンに加えて、俺のおごりのおかげだと、それを証明するためにも、このまま黙ってはいられない。
「道央は確かに飛ぶけれど。そんなアドバンテージも関係ない」。過去3シーズンで、平均パット1位の実力。昨年は得意分野で精彩を欠いて、とうとう5年ぶりに未勝利に終わったが、このオフに改めて弟子に知らしめたのは、「俺のパットの凄さ。宮崎では道央の30ヤード手前から、バーディを獲ってみせた」。
このオフは、いつになく自分を追い込み、仕上がりも上々だ。
弟子に負けじと、国内開幕戦でせっかく首位タイ発進も、肝心の松村がいきなり初日にスコアカードの自著漏れで失格。5オーバーを打って出遅れたことで「明日からどう立て直すか」と考え事をしていて、うっかりしていたと反省しきりの松村。
「谷口さんに、何やってんだと叱られますね」と肩を落としたとおりに、師匠が雷。「何やってんだ!」と、弟子が予測したとおりの第一声で「考えてもしょうがないのに。下手クソやから、打つだけのことやのに」と独特の言い回しの“愛のムチ”で憤った谷口。
こうなったら、開幕戦初日から早速コースを去った弟子の分まで師匠が踏ん張る。