Tournament article
三井住友VISA太平洋マスターズ 2019
まさかのまさおか! 沖縄出身の正岡竜二が、寒さもこらえてV争い
今年もシード権の保持に奔走する36歳が、「まさかのまさおかです」と、おどけた。
2日目の御殿場。風は止んだが、ぐっと冷え込んだ。出身の地元沖縄と比べて、10℃以上は違う。
スタートの10番では毛糸の耳当てと、ダウンジャケットが「必須」。
ダウンは、さすがにスタート時に脱いだが、耳当てはまさかの12番ホールまでつけてプレー。
「…つけたままで邪魔にならんの?」。
キャディの長恭邦さんの心配をよそに、むしろ外した途端に12番で今週、初ボギーだ。
前半は寒さと、好位置から出た緊張で「リズムが速くなった」と、前日初日と比べてやや精彩を欠いたが、ショットはこのたび、6年越しの悩みを払拭したばかり。
「後半、ちょっと調整してまたよくなった」と、後半のアウトコースは、この日最後のピンチもみごとにしのいでボギーなしでまとめた。
2打目を奥にこぼした9番で、逆目のライから秀逸のロブショット。ピンそば50センチにつけた。OKパーでしのいだ。
通算6アンダーで耐えて、韓国のY・E・ヤンと並ぶ首位タイで、決勝ラウンドに進んだ。
プロ転向して8年目の14年に初シード入りを果たしたが、以後は、毎年「やばいやばい、どうしようどうしよう、またQT行っちゃうよ、みたいな…」。
シーズン終盤まで確保に悪戦苦闘する、その繰り返し。
今季も、現在賞金ランク51位は、まだ落ち着かない。
ひとつ下だが尊敬する後輩、池田勇太と同組で回ることになったのは、そんな矢先だ。
先週は、地元沖縄で行われた「平和PGMチャンピオンシップ」。予選の2日間を共に回り、池田のスイングを見てひらめくものがあったという。
変化は、ほんのちょっとした部分。
「体とボールの距離を近づけたくらいですけど、それがぴったりビンゴ、だ。6年間悩んできたことが、バーッと晴れた気がした」と先週は、そのまま12位タイに入って自信を深めたばかり。
「あとはトップを獲りたいなあ、という欲だけ」。
この時期、いつも周囲をハラハラさせてきた男が、初Vもにらめるまでに急成長。
「…日曜日は、勇太と回りたいな」。
2日目を通算2アンダーの9位タイで終えた恩人の後輩に、今度は最終日での直接対決を呼びかけた。