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ファンケルオープンin沖縄 2000

▼ 賞金レースの主役たち敗れた谷口徹

「勝つか負けるか…同点の賞金王はないのだから」

 18番は、第3打をピン奥1.5メートルにつけバーディ。
 69でまわって通算9アンダーまで伸ばしたが、及ばなかった。
 片山に逆転されての賞金ランク2位にも、悔しさを堪えて谷口は、笑顔でライバルと握手。健闘を称えあった。
 ファンのサインにも、笑顔で応えた。
 インタビューにも気丈に答えた。

 「今年、自分はランク2位。でも、昨年より成長しているから、がっかりはしない。ファンはがっかりしているかもしれないけど…。今日は自分らしさも出せたし、充実感もある。今年1年も、とても良かったと思う。
 ・・・今の彼(片山)に6打差は、かなりいいゴルフをしないとダメだった。
 パターが入らなかったし。それに彼にはツキもあった。なかなか流れをこちらに向かせられなかった。今日は晋呉は難しいパットも入れていたし、僕もけっこう圧力をかけたけど、とらえるまでには行かなかったね…」

 だがそこで、緊張の糸がプツリと切れた。
 谷口の目に、みるみる涙がたまった。
 涙がこぼれ落ちないようにグイと拭って谷口は続けた。
 「今年の晋呉の5回の優勝は、凄い。でも、1位と2位はわずかな差。僕は賞金王だけが目標ではなかったし、ゴルフの内容も、彼に負けないものなっていると思う。
 彼は5回優勝しているし、僕は2回だけでしょう。この内容でこれだけやれたのは凄い自信になっていますよ。
 ただ、賞金王に同点はない。勝つか負けるか、なんです。
 優勝回数もそうだけど、もっとゴルフの内容を良くして、20試合ぐらいでも賞金王になれるぐらいの本当の強さが欲しいと思う」
 負けん気の強さは、ツアー1、2位を争う。
 谷口はこの悔しさを、必ず、21世紀へとつなげるはずだ。

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