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ファンケルオープンin沖縄 2000

▼ 賞金レースの主役たち「せめて、目の前でプレッシャーを与えるしか方法はない」

息を吹きかえした谷口徹が、ランク首位を死守するには―

 低迷していた谷口徹が、息を吹き返した。
 得意のパターが決まらず、「やる気が出ない」とボヤいた2日目から大変身だ。
 9番パー4では奥から7メートルを入れて、この日4つ目のバーディが決まると、2度3度と力のこもったガッツポーズも飛び出した。
 復調の要因は、昨晩の「アロママッサージ」だ。
 宿泊先で、ヒーリング(癒し)効果のある香りのついたオイルを、全身に塗るマッサージを受け、「芯からリラックスでき、ストレスが発散できた」と話す。

 「米ツアーのQスクールでパットが入らないイメージがついてしまって、自信を失っていたようです。2日目までは、ボールがことごとくカップをはずれ、『入らない』とばかり思いすぎて、リズムに乗れず、イライラしていました。昨日はホテルに帰ったら、疲れ果てていた。それで、お昼寝も兼ねてマッサージをしてもらったら、すごく良い気分転換になりましたね。今日ははずれた、と思ったパットもなぜか、カップに向かっていきましたよ」

 折り返しの10番で5メートル、11番では4メートルを入れて連続バーディ。
 16番では3メートルもキメて前日の25位から、通算6アンダー単独2位に浮上した谷口。
 首位を走る片山とは6打差ある。このまま逃げきられれば、立場は逆転。賞金王の座は奪われる。
 だが、「僕が勝つ可能性は、まだ、ゼロじゃない」と言いきる。
 共に、最終組で迎える最終日の直接対決に、可能性が残されている、と谷口は言うのだ。

 「ぼくは、より強い人と回るほど、負けない気持ちは強くなる。彼と一緒にまわることで、僕はより良いゴルフができるんです。だから、ずっと一緒にまわりたいと思っていた。
 片山君は自信に満ち溢れていて、崩れる原因は見当たらない。せめて目の前で、プレッシャーを与えていくしか方法はない。僕はとにかく明日、120%の力を出しきるだけ」

 今季を飾るラストステージで、谷口が劇的勝利をかざってキングの座を死守できるか。レースはいよいよ、佳境を迎える。

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