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日本プロゴルフ選手権大会 2000

「心配ごとは前髪を自分で切って、短くなっちゃったことくらい。決勝ラウンドのテレビうつりが悪くなっちゃうな…」尾崎健夫

傾斜の強く、いくつもマウンドがあるグリーンの中にも、「平らな、上りの間口のようなものがある」と尾崎健夫。
「やみくもにピンを狙っていくのもいいけど、ここのグリーンには間口というかな… のぼり口っていえばいいのか…そういうのがだいたい5メートル範囲であるんだ。どのホールも、奥に5メートルとか上横に5メートルとかいう具合に。だから、ただまっすぐピンを狙ってもダメ。5メートルのポイントに打っていかないと、ボギーがどんどん出るから、俺はセカンドショットで常に『5メートル』の範囲を設定して打っているんだ」(尾崎)。

 尾崎自ら、「ベストな攻め方」というのが、昨日の初日と、この日の15番パー4。グリーンは、奥に細長い。
初日のホールロケーションは手前30ヤード、右9ヤード。「カップが奥目だったから、7番アイアンで打った」という第2打は、ピン手前1メートルにピタリ。
そして、2日目のこの日。
手前10ヤード、右6ヤードと「右目で、しかも手前にピンが切ってあったから9番で打って、ピン左目の5メートルの“間口”の部分に乗っけた。2つともパットは入らなかったけど、この攻め方が俺にとってのベスト。昨日と今日の15番の攻め方は、明日、明後日もやってみたいね」(尾崎)。狭い“間口”に打っていけるのも、先週に引き続き好調なショットがあるからだ。

 先週、7年ぶりの復活Vを遂げたばかりなだけに、「予選ラウンドは着実に、そこそこのところでプレーしたい」というのが目標だった。
「昨日の昼、ヒマだったから前髪を切ってみたら切りすぎて。それだけが気がかり。テレビうつりが悪くなっちゃうよ」と、思ったよりも好位置での決勝ラウンド進出にホッとしたのか、身だしなみを気にする余裕も出てきた。
「今週は、予選と決勝を分けて考えていたんだ。予選でこの位置にいられることは最高だよ。でも明日からは、今日までのラウンドのことは忘れて、気持ちとスイングを切り替えて新たな気持ちでやりたい。昨年のこともあるけれど(3日目首位に立ちながら末弟の直道に4打差を逆転されて敗退)、悔しいという思いを抱いてプレーしても、このコースは跳ね返されそうだからね。もちろん、先週の優勝があるから楽、とか、そういうのよけいなことも考えない。着々と、丁寧に1つ1つコースをプレーしていくということしか、今はアイディアが浮かばないな」。
 尾崎が2週連続Vにむけ、ひた走る。

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