Tournament article
三井住友VISA太平洋マスターズ 2001
「VISAはやはり、出たい試合だった」
WGC『アメリカンエキスプレス選手権』の開催地・米シカゴから、この日曜日に帰国したばかりの谷口徹は、この日、プロアマ戦で18ホールをこなした。
まだ、時差ボケの影響が残っており、「じっとしていたら寝てしまいそうです」と、眠い目をこすりながら、今回の出場に関する会見に応じた。
Q : 今週、きゅうきょ、出場を決めた経緯は?
谷口 : 先週、開催される予定だったアメックス選手権は予選落ちがなく、翌週は、火曜日の帰国となるはずでした。スケジュール的にも今週のこのVISAに出場するのは、きついということで、大会側には事前に欠場の意志を伝えてありました。
ですが、そのアメックスがテロのため中止になり、スケジュールが空いてしまったんです。
僕としては、アメックスがなければ、VISAはやはり出場したかった大会ですし、また、できるだけ早く日本ツアーに復帰したかったんです。それで、その旨をツアーに伝えたところ、一度、欠場は出したけれども、事情を考慮して、特例での出場を認めてもらえることになったんです。
Q : 実際に、事件の近くにいて、現場はかなり混乱していた?
谷口 : 近くといっても、目の前で起きたことではなかったですし、テレビでしか様子は伺えなかったのですが、すぐには、実際に起きたことだとは思えなくて・・・。前に何かの映画で見たシーンが、そのままテレビで流されているような感覚で・・・。いまだに信じがたい、大変な事件だったと思います。
Q : 帰国まで、どのように過ごしたのですが?
谷口 : 開催コースで1日、ラウンドさせてもらったんですが、試合がなくなってしまったし、事件のこともあって、身が入らなかった。
Q : 帰国まではどこに?
谷口 : 会場のセントルイスにいました。シカゴに移動しても良かったんですが、都会にいると何が起きるかわからないときなので、恐ろしいし、郊外にいたほうが安全だと判断したからです。そのうち、日曜日には飛行機が飛ぶという話を聞いたので、車で4時間かけてシカゴに移動し、15分前に、午前11時の全日空便に飛び乗りました。帰ってきたのは、月曜の昼です。
Q : これから飛行機に乗るのが怖くないですか?
谷口 : そうですね・・・あんな事件がおきると、どこにどんな人が潜んでいるのか、想像がつかない。しばらくはアメリカの飛行機に乗るのが怖くなりそうです。アメリカの経済は、まだ混乱状態だし、安否がわからない人もたくさんいらっしゃるということなので、できるだけ早い解決を、望みますね。