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日本プロゴルフマッチプレー選手権プロミス杯 2002

準決勝 近藤智弘VS片山晋呉 「片山さんを、本気にさせたことが嬉しかった」近藤

マッチイーブンで迎えた18番。左林からの近藤の第2打は、前方に木が立ちはだかり、151ヤード先のグリーンは、直接狙えない。
 「グリーン右手前のバンカーの、さらに右から曲げるイメージで」。
 狙いすました強烈なインテンショナルフックが、とどめの一撃だった。
 ピン奥3メートルのバーディパットが、同じく、左林からフェアウェーに出すしかなかった片山の、息の根を止めた。
 「エキストラホールにもつれこんでも、ダメってわかってたから」
 一昨年の賞金王相手に、ついに1アップ以上を許さなかった。

 鈴木亨、伊沢利光、室田淳と、強豪をつぎつぎと倒して挑んだ、この日の3回戦。
 「片山さん相手に、負けるのは当たり前。せめて、今日は粘れるだけ粘ってやる」
 先に1アップを食らっても焦らず、懸命に食い下がり、13番からは4連続バーディを奪った。
 ついに近藤の、アップドーミーで迎えた17番では、片山が3メートルのバーディパットをねじ込んで、再びイーブンに戻されたが、この息詰まる展開でさえ、近藤は、冷静に敵を見ていた。
 「このとき、片山さんが、ガッツポーズをした。片山さんが、本気になっている、と思った。僕はナメられていない、とわかって、嬉しかった」

 ツアー3年目。今大会出場最年少の近藤が、とうとう、決勝戦まで、たどりついた。
 「これまでの対戦で、精神的にも厳しいのを経験して、いまはもう緊張感も麻痺しちゃってる(笑)。明日も、気持ちでは、負けないようにしたいし、もちろん、勝つつもりでいく」
 度胸のすわりかたは、半端じゃない。

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