自宅からコースまで、「車で1時間」という谷口には今週、地元開催ということ以外にも、発奮材料がたくさんある。
　まずひとつは、今年の賞金ランキング。
　開幕戦の東建コーポレーションで勝った谷口は、今季、まだ、一度も賞金ランクトップの座を明け渡していない。
　「今年の目標は、このまま、一度も抜かれないで、賞金王になること。…（笑）なんて、そんなの無理なのはわかっているけど、それくらいの気持ちでやりたいんです」
　この試合のあとすぐに渡米して、米ツアーの『メモリアルトーナメント』『ケンパーオープン』に出場する予定なだけに、今週の“優勝”で、できるだけ、水をあけておきたいハラなのだ。

　さらに、もうひとつの発奮材料は、今季メジャー第2戦の全米オープン。
　4月のマスターズで初出場を果たした谷口は、今年、「メジャー全試合出場」を目標に掲げた。
　2つ目の関門である全米オープンをクリアするためには、今月27日発表のワールドランキング50位内に食い込むことが条件。
　先週終了時点のランキングは、ジャスト50位で、この3週間が、踏ん張りどころとなる。
　「調子は上向き。自信もある。今週は、行っとかないとね」
　谷口が、地元・奈良から、世界へ羽ばたく。

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• 谷口 徹